こんにちは!中四国でアスベスト(石綿)調査・除去工事をおこなっています西日本アスベスト調査センター(NARC)のブログ担当です。
ご自宅や会社の建物の屋根に、波状の板が使われていて「これってアスベストが入っているのかな?」と不安に感じていませんか?
特に、古い建物の場合、その不安は切実なものだと思います。
この記事では、そんな皆様の疑問や悩みを解決するため、アスベスト(石綿)スレート波板について、その正体から見分け方、そして安全な対処法までを徹底的に解説していきます。
この記事を読むと、アスベスト(石綿)スレート波板が使われている可能性のある建物の特徴や、ご自身でできる簡単なチェック方法、そして安全に除去・処分するための費用や業者選びのポイントまで、専門家だからこそ知っている具体的な情報がわかります。
築年数の古い建物にお住まいの方や、解体・リフォームを検討している方、そしてDIYでの補修を考えている方は、ぜひ最後まで読んでみてください!
アスベスト(石綿)スレート波板とは?
アスベスト(石綿)スレート波板とは、セメントを主成分とし、アスベスト(石綿)繊維を補強材として混ぜて作られた屋根材や外壁材の一種です。
アスベスト(石綿)を混ぜることで、建材としての強度や耐火性、耐久性を高めることができ、その特性から高度経済成長期に工場の屋根や倉庫、畜舎など、広い面積の屋根材として全国で非常に多く使用されていました。
私の父親もかつて建築業界に携わっており、話を聞くと「当時はどこの現場でも使われていた、丈夫で安価な万能建材だった」と懐かしそうに語っていたことを覚えています。
アスベスト(石綿)が使われていた理由
アスベスト(石綿)スレート波板にアスベスト(石綿)が使用されていた主な理由は、その優れた物性にあります。
アスベスト(石綿)は非常に細い繊維でありながら、引っ張り強度が高く、耐熱性や耐薬品性にも優れていました。
これらの特性をセメントと組み合わせることで、強度がありながらも軽量で、さらに安価な建材を大量生産することが可能になったのです。
しかし、その便利な特性の裏で、アスベスト(石綿)の繊維は目に見えないほど細かく、飛散したものを吸い込むと健康被害を引き起こすことが後に判明しました。
このため、2004年にはアスベスト(石綿)を1%以上含む製品の製造・使用が全面的に禁止され、アスベスト(石綿)スレート波板もそれに伴い製造されなくなりました。
このように、アスベスト(石綿)スレート波板は、かつては日本の建材を支えた主要な建材でしたが、現在はその危険性が広く認識され、安全な除去が求められています。
ご自身の建物にアスベスト(石綿)スレート波板が使われているかどうかを正確に判断するには、専門家による現地調査が不可欠です。
しかし、いくつかの特徴から、アスベスト(石綿)含有の可能性が高いかどうかを推測することは可能です。
私のこれまでの現場経験から、お客様が不安に感じていた共通のポイントをいくつかご紹介します。
アスベスト(石綿)含有スレートの特徴
アスベスト(石綿)スレート波板の大きな特徴は、その製造された時期にあります。
特に、1970年代から1980年代にかけて建てられた工場や倉庫、納屋の屋根に使用されていることが非常に多く、製造時期が古ければ古いほど、アスベスト(石綿)含有の可能性は高まります。
また、製品名が刻印されている場合もあります。
例えば、「Pスレート」や「Kスレート」といった名称は、アスベスト(石綿)含有製品として知られているため、もし屋根の端などにこれらの刻印を見つけたら、専門家への相談を検討してください。
非アスベスト(石綿)スレートと比べると、アスベスト(石綿)スレートは繊維が均一に分散しており、表面が滑らかに見える傾向があります。
一方、ノンアスベスト(石綿)スレートは、経年劣化でひび割れやミルフィーユ状の層間剥離が見られやすいという特徴があります。
ただし、これはあくまで目安であり、劣化状況は設置環境によって大きく異なるため、見た目だけで自己判断することは非常に危険です。
私が以前調査に伺ったお客様のケースでは、一見きれいな屋根に見えたものの、調査の結果アスベスト(石綿)含有が判明し、お客様も驚かれていました。
そのため、見た目だけでの判断はせず、必ず専門家にご相談ください。
アスベスト(石綿)スレートを放置するリスク
「見た目には問題なさそうだから、このままでいいか」とアスベスト(石綿)スレート波板を放置することは、実は大きなリスクを伴います。
アスベスト(石綿)は「非飛散性」に分類されますが、これはあくまで建材が健全な状態での話であり、劣化が進んだり、破損したりすると状況は一変します。
放置によるデメリットと危険性<
アスベスト(石綿)スレートを放置することの最大のデメリットは、経年劣化によってアスベスト(石綿)繊維が飛散するリスクが高まることです。
長年の風雨や紫外線にさらされることで、アスベスト(石綿)スレート波板は徐々に劣化し、表面が剥がれたり、ひび割れが生じたりします。
この過程で、内部に含まれているアスベスト(石綿)繊維が空気中に飛散し、それを吸い込むことで中皮腫や肺がんといった深刻な健康被害を引き起こす可能性があります。
また、台風や地震などの自然災害で建物が損傷した場合、一度に大量のアスベスト(石綿)が飛散する危険性も考慮しなければなりません。
さらに、放置することで建物の資産価値が下がるという経済的なデメリットも無視できません。
将来的に建物を売却する際や、リフォーム・解体工事を行う際に、アスベスト(石綿)含有が判明すれば、追加で多額の除去費用が発生する可能性があります。
このようなリスクを避けるためにも、アスベスト(石綿)スレート波板は、劣化が進行する前に適切な方法で除去・処分することが重要です。
早期の対応が、ご自身とご家族の健康、そして建物の価値を守ることにつながります。
DIYは絶対NG!アスベストスレートの正しい撤去方法
「費用を抑えたいから自分でやってしまおう」と安易に考える方もいらっしゃるかもしれませんが、アスベスト(石綿)スレート波板の撤去は、絶対にDIYで行ってはいけません。
大気汚染防止法などの法律によって厳しく定められた手順と資格が必要であり、無資格者が行うことは違法行為にあたります。
正しい撤去方法と法的な義務
アスベスト(石綿)スレート波板の撤去には、まず専門の調査機関による事前調査が必須です。
これにより、アスベスト(石綿)の有無や種類、レベルが正確に把握されます。
その後、専門の除去業者が、飛散防止のための養生を厳重に行った上で、湿潤化させてから慎重に手作業で解体・撤去を行います。
撤去されたアスベスト(石綿)スレート波板は、二重の袋で厳重に梱包され、アスベスト(石綿)廃棄物の許可を持つ最終処分場で処分されます。
これらの作業は、アスベスト(石綿)作業主任者などの国家資格を持った作業員が行う必要があり、防護服や防じんマスクなどの専門的な装備も必須です。
2023年10月1日からは、すべての解体・改修工事においてアスベスト(石綿)調査が義務化されており、違反すると罰則が科せられます。
私たちが担当したある現場では、お客様がDIYで一部を撤去しようとして、誤ってアスベスト(石綿)を飛散させてしまったケースがありました。
幸い、すぐに専門家に相談いただいたため大事には至りませんでしたが、専門知識と設備がない状態での作業は、健康被害だけでなく、近隣住民への影響や法的な問題にも発展する可能性が高いのです。
ご自身と周囲の安全のためにも、専門の業者に依頼することが唯一の正しい方法です。
撤去・処分にかかる費用と相場は?
アスベスト(石綿)スレート波板の撤去・処分にかかる費用は、建物の規模や作業内容、立地条件などによって大きく異なります。
しかし、おおよその相場を知っておくことで、安心して業者に相談することができます。
費用の内訳と相場の目安
アスベスト(石綿)スレート波板の撤去にかかる費用は、主に「足場費用」「撤去費用」「運搬・処分費用」の3つに分けられます。
足場費用は、安全な作業を行うために必須で、建物の形状や高さによって変動します。
撤去費用は、屋根材を一枚ずつ手作業で外す作業の費用で、使用面積によって計算されます。
運搬・処分費用は、撤去したアスベスト(石綿)廃棄物を専用の運搬車で運搬し、最終処分場で処理する費用です。
アスベスト(石綿)廃棄物の処分には特別な許可が必要なため、一般的な産業廃棄物よりも費用が高くなります。
私の経験では、ある工場の屋根全体を撤去した際、広範囲にわたるため費用も大きくなりましたが、複数の業者から見積もりを取り、お客様にとって最適なプランを提案することで、最終的に納得していただくことができました。
また、国や自治体によっては、アスベスト(石綿)調査や除去費用に対する助成金や補助金制度を設けている場合があります。
これらの制度を上手に活用することで、費用負担を軽減できる可能性がありますので、事前に確認しておくことをお勧めします。
アスベスト除去は決して安い費用ではありませんが、ご自身やご家族の健康、そして将来的な建物の価値を守るための「安心を買う」ための投資だと考えていただけると幸いです。
信頼できる業者の選び方と注意点
アスベスト(石綿)スレート波板の撤去は、専門的な知識と技術が求められる作業です。
そのため、信頼できる業者を選ぶことが最も重要となります。
悪質な業者に依頼してしまうと、アスベスト(石綿)が適切に処理されずに飛散したり、高額な費用を請求されたりするトラブルに巻き込まれる可能性があります。
良い業者を見極めるためのチェックリスト
まず第一に、アスベスト(石綿)除去に関する許可証や資格を保有しているかを確認しましょう。
具体的には、「特定粉じん排出等作業実施届出書」などの書類を自治体へ提出できる事業者であること、そして「石綿作業主任者」などの国家資格を持った作業員が在籍していることが重要です。
次に、実績が豊富であるかどうかも重要なポイントです。
これまでにどれくらいの規模の工事を請け負ってきたか、ウェブサイトや実績紹介ページで確認してみましょう。
また、作業計画が明確であることも大切です。
どのような手順でアスベスト(石綿)を撤去し、飛散防止策を講じるのか、詳細な説明を求めるべきです。
さらに、見積もりの内訳が明確かどうかもチェックしてください。一式で金額を提示するのではなく、足場費用、撤去費用、処分費用などを具体的に記載している業者は信頼できる傾向にあります。
私たち西日本アスベスト調査センター(NARC)では、お客様一人ひとりの状況に合わせて、一つひとつの作業を丁寧に説明し、透明性の高い見積もりを提示することを心がけています。
大切なご自宅の工事だからこそ、複数の業者から相見積もりを取り、納得いくまで相談して、信頼できるパートナーを見つけてください。
まとめ
今回は、アスベスト(石綿)スレート波板について、その危険性から正しい対処法までを詳しく解説しました。
見た目だけでアスベスト(石綿)の有無を判断することは難しく、放置することは健康リスクや法的なリスクを伴います。
ご自宅の屋根が古いスレート波板である場合は、まずは専門家による調査を依頼することが、何よりも大切です。
適切な知識と専門家の手を借りることで、アスベスト(石綿)スレート波板に関する不安は解消できます。この記事が、皆さんの安全を守る一助となれば幸いです
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