こんにちは!中四国でアスベスト(石綿)調査・除去工事をおこなっています西日本アスベスト調査センター(NARC)のブログ担当です。
「アスベスト」という言葉を聞くと、古い工場やビルの解体をイメージする方が多いのではないでしょうか?しかし、実はアスベストは、私たちの身近にある一般の住宅にも使用されている可能性があることをご存知でしょうか?「まさか自分の家に?」と不安に感じるかもしれませんが、決して他人事ではありません。特に、高度経済成長期に建てられた住宅にお住まいの方は、アスベストのリスクについて知っておくことが非常に重要です。
この記事では、一般の住宅にアスベストが使われている可能性が高い場所や、アスベストが健康に与える影響、そして万が一アスベストが見つかった場合の正しい対処法について、専門家の視点から詳しく解説します。
この記事を最後まで読んでいただければ、ご自宅のアスベストリスクを正しく把握し、安全・安心な暮らしを守るための具体的な行動が分かります。
現在、ご自宅の建て替えやリフォームを検討されている方、古い住宅にお住まいでアスベストについて不安を感じている方、不動産売買を控えている方は、ぜひ最後まで読んでみてください!
そもそもアスベストとは?アスベストの基本知識
私たちの周りに潜むアスベストの危険性を理解するためには、まずアスベストが一体どのようなものなのか、その基本的な性質を知ることが重要です。アスベストは、過去に「奇跡の鉱物」と呼ばれたほど、優れた特性を持つ建材でした。しかし、その裏には恐ろしい健康被害が隠されています。
アスベストが持つ特性とその用途
アスベストは、天然に存在する繊維状の鉱物です。その最大の魅力は、熱や摩擦、化学物質に非常に強いという特性でした。また、安価で加工しやすかったことから、様々な建材に広く利用されていました。
- 耐火性・耐熱性: 高温に強く燃えにくいため、断熱材や耐火被覆材として使われました。
- 断熱性: 熱を伝えにくい性質から、ボイラーや配管の保温材としても重宝されました。
- 防音性: 優れた遮音性を持つため、壁や床の防音材にも使われました。
- 耐久性: 非常に丈夫で、劣化しにくいことから、屋根材や外壁材にも含まれていました。
これらの優れた特性により、アスベストは高度経済成長期の日本の住宅建築において、欠かせない材料となっていきました。しかし、この便利さの影で、私たちの健康に深刻な影響を与える可能性が潜んでいたのです。
なぜアスベストは危険なのか?
アスベストが危険な理由は、その繊維が非常に細かく、空気中に飛散しやすい性質にあるからです。アスベストの繊維は、肉眼では見えないほど小さく、吸い込んでしまうと肺の奥深くにまで入り込んでしまいます。
- 肺の奥に刺さる:吸い込んだアスベスト繊維は、針のように鋭いため、肺の組織に突き刺さったまま留まり、炎症を引き起こします。
- 長い潜伏期間:この炎症が長期間にわたって続くと、肺の細胞が癌化したり、肺全体が硬くなってしまう「じん肺(石綿肺)」を引き起こします。
- さまざまな疾患の原因に:アスベストが原因で発症する病気には、中皮腫(ちゅうひしゅ)、肺がん、石綿肺などがあり、これらの病気はアスベストを吸入してから20年から40年という長い潜伏期間を経て発症することが知られています。
そのため、現在の健康状態が良好であっても、過去にアスベストを吸い込んでいる可能性がある場合は、注意が必要です。
あなたの家は大丈夫?一般住宅にアスベストが使われている可能性が高い場所
「自分の家にはアスベストは使われていないだろう」と安易に考えている方は多いですが、実はアスベストは一般の住宅のさまざまな場所に隠されています。特に、特定の時期に建てられた住宅は、アスベスト含有建材が使用されている可能性が非常に高いです。
築年数でわかるアスベストのリスク
アスベストの使用が最も多かったのは、1970年代から1980年代にかけての高度経済成長期でした。
- 1980年代以前:アスベストの使用が最も盛んだった時期です。この時期に建てられた家は、外壁材や屋根材、内装材など、多岐にわたる箇所でアスベストが使用されている可能性があります。
- 1980年代後半から2006年:徐々にアスベストの使用が規制され始めましたが、完全に禁止されたわけではありません。この時期に建てられた家でも、一部の建材にアスベストが含まれている可能性があります。
- 2006年以降:アスベストの使用が全面的に禁止されました。2006年以降に建てられた新築住宅については、アスベスト含有建材が使用されている可能性はほぼありません。
ご自宅の建築年数が1980年代以前である場合は、特に慎重な確認が必要です。
一般住宅でアスベストが使用されている可能性のある場所
アスベストは、一般の住宅でも多種多様な建材に利用されていました。リフォームや解体の際に特に注意が必要な場所をいくつかご紹介します。
- 屋根材:スレート瓦や波板の原料としてアスベストが使われていました。耐久性・耐火性があるため、広く普及していました。
- 外壁材:窯業系サイディングボードやモルタル吹き付け材にアスベストが含まれている場合があります。特に、表面がザラザラした吹き付け材は、アスベストの含有率が高いとされています。
- 内装材:壁や天井のボード、タイル、壁紙の接着剤などにもアスベストが含まれていることがありました。
- 配管の保温材:給湯管やボイラーの保温材として、アスベストを固めた保温材が使用されていました。
- その他:煙突の周囲やエアコンの配管周りなど、熱が発生しやすい場所の断熱材にもアスベストが使われていました。
これらの場所をリフォームや解体する際には、必ず専門家による事前調査が義務付けられています。
アスベストが含まれているとわかったら?正しい対応と対策
もしご自宅にアスベストが含まれていることが分かったとしても、慌てる必要はありません。アスベストは、飛散しない限りは人体に影響を及ぼしません。大切なのは、正しい知識を持って冷静に対処することです。
アスベストの危険度とレベル
アスベストの危険度は、その飛散性によって3つのレベルに分類されます。
- レベル1(飛散性が非常に高い):アスベストを吹き付けた建材(吹き付けアスベストなど)。非常にアスベストの含有率が高く、少しの振動でも繊維が飛散しやすいため、最も危険なレベルです。
- レベル2(飛散性が高い):アスベスト保温材、断熱材、耐火被覆材など。レベル1ほどではないものの、振動や劣化により繊維が飛散する可能性があります。
- レベル3(飛散性が比較的低い):アスベスト含有成形板(スレート、サイディングなど)。アスベストをセメントなどで固めているため、通常の状態では繊維が飛散する可能性は低いです。しかし、解体や切断などで建材が壊れると、繊維が飛散する危険があります。
ご自宅のアスベストがどのレベルに該当するかを正しく把握することが、適切な対策を講じる第一歩です。
アスベストの正しい除去方法と費用相場
アスベストが含まれている建材の除去は、専門の業者に依頼する必要があります。DIYで除去しようとすると、かえってアスベストを飛散させてしまい、健康被害を拡大させるリスクがあるため、絶対にやめましょう。
- 調査:まず、専門の調査員がアスベストの有無や種類、飛散性を調査します。この調査は、2022年4月からすべての解体・改修工事において義務付けられています。
- 除去工事:飛散性が高いアスベストの場合は、周囲にアスベストが飛び散らないよう、建物をシートで覆い、負圧をかけて作業を行います。作業員は厳重な防護服とマスクを着用し、専用の機材を使って慎重にアスベストを除去します。
- 処分:除去したアスベストは、特別管理産業廃棄物として厳重に梱包され、専用の処分場で適切に処理されます。
アスベスト除去にかかる費用は、建物の規模やアスベストの種類、作業の難易度によって大きく異なります。一般の住宅の場合、アスベストを含む屋根材の撤去であれば数十万円から、吹き付けアスベストの除去であれば数百万円になることもあります。
アスベスト調査や除去には、国や自治体の補助金制度を利用できる場合があります。費用を抑えるためにも、お住まいの自治体のホームページなどで確認してみましょう。
専門家によるアスベスト調査と診断のメリット
「自分の家が古いからアスベストがあるかもしれない」という漠然とした不安を抱えている方もいるでしょう。そんな時は、専門家によるアスベスト調査を依頼することが、最も確実で安全な方法です。
専門家によるアスベスト調査のプロセス
専門家によるアスベスト調査は、以下の手順で進められます。
- 事前相談と現地調査: まずはお電話やメールでご相談いただき、建物の状況やお客様の不安な点をヒアリングします。その後、専門の調査員が現地に伺い、アスベストが使用されている可能性のある場所を目視で確認します。
- サンプリングと分析: 目視でアスベスト含有建材の可能性がある箇所から、ごく小さなサンプルを採取します。このサンプルは、専門の分析機関に送り、顕微鏡などを用いてアスベストの種類や含有率を詳細に分析します。
- 診断と報告: 分析結果に基づき、アスベストの有無や種類、飛散リスクを診断します。調査結果は、写真付きの分かりやすい報告書としてお客様にお渡しします。この報告書には、今後の対応策についても詳しく記載されます。
このように、専門家は科学的な根拠に基づいてアスベストの危険性を判断します。
専門家に依頼するメリットとデメリット
専門家にアスベスト調査を依頼することには、多くのメリットがあります。
- メリット
- 正確な診断: プロの目と専門的な分析によって、アスベストの有無を正確に判断できます。素人では見分けがつかない建材も、見逃すことなく調査できます。
- 安全な作業: アスベストのサンプリングは、誤った方法で行うと繊維が飛散する危険があります。専門家は、飛散防止策を講じながら安全に作業を行います。
- 法的義務の遵守: 解体やリフォームを検討されている場合、アスベスト調査は法律で義務付けられています。専門家に依頼することで、この義務を確実に履行できます。
- 安心感: 不安を抱えたまま暮らすよりも、一度専門家に調べてもらい、アスベストがないと分かれば安心できます。もしアスベストが見つかったとしても、今後の対策について具体的なアドバイスをもらえます。
- 補助金制度の活用: 多くの自治体では、アスベスト調査や除去に補助金制度を設けています。専門家はこれらの制度に詳しく、申請手続きについてもサポートしてくれます。
- デメリット
- 費用が発生する: 調査には費用がかかります。しかし、健康被害のリスクや将来の解体費用を考えれば、決して高い買い物ではないと言えるでしょう。
- 調査期間がかかる: サンプル分析に数週間かかる場合があります。しかし、焦って自己判断で作業を進めるよりは、時間がかかっても確実な診断を得る方が賢明です。
専門家に依頼することで、費用や時間はかかりますが、何よりもご家族の健康と安全を守る上で、非常に大きなメリットがあると言えます。
知らないと損する!アスベストに関する法規制と補助金制度
2022年4月から、建築物の解体・改修工事を行う際に、アスベストの事前調査が義務化されました。これは、アスベストによる健康被害を未然に防ぐための重要な規制です。
アスベストに関する最新の法規制
- 事前調査の義務化:建築物の解体・改修工事を行う際には、工事の規模にかかわらず、アスベストの有無について専門家による事前調査が義務付けられました。この調査結果は、作業開始前に都道府県知事への報告も必要となります。
- 作業計画の策定:調査でアスベストが確認された場合、飛散防止のための作業計画を立て、適切に作業を実施しなければなりません。
- 罰則の強化:これらの規制に違反した場合は、厳しい罰則が科せられます。これは、アスベスト問題への社会全体の意識を高めることを目的としています。
これらの法規制は、一般の住宅の所有者にも適用されます。ご自宅のリフォームや解体を検討されている方は、必ずこれらのルールを遵守する必要があります。
アスベスト調査・除去で利用できる補助金制度
アスベスト調査や除去には費用がかかりますが、国や多くの自治体では、その費用を支援するための補助金制度を設けています。
- 補助金の対象: 補助金の対象となるのは、主にアスベスト含有建材の調査費用や、飛散性の高い吹き付けアスベストの除去費用です。
- 補助金額: 補助金額は自治体によって異なりますが、調査費用の全額、または除去費用の一部を助成する制度が多く見られます。
- 申請方法: 補助金制度を利用するためには、事前に申請手続きを行う必要があります。申請には、調査報告書や見積書などの書類が必要になりますので、専門の業者に相談しながら進めるのがスムーズです。
補助金制度を活用することで、経済的な負担を軽減しながら、安全にアスベスト対策を進めることができます。
まとめ
本記事では、アスベストが一般の住宅にも潜んでいる可能性について、その危険性から正しい対処法、そして専門家による調査の重要性まで詳しく解説しました。
アスベストは、築年数がある程度古い一般の住宅であれば、屋根材や外壁材、内装材など、さまざまな場所に隠れている可能性があります。しかし、アスベストは劣化して飛散しない限りは危険ではありません。大切なのは、ご自宅にアスベストがあるかもしれないという事実を正しく理解し、安易に手を加えず、専門家による調査を依頼することです。
ご家族の健康と安全を守るためにも、アスベストについて少しでも不安を感じたら、迷わず専門家にご相談ください。
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