岡山にお住まいの皆様こんにちは!
この記事では、アスベストの危険性と長期的に吸い込み続けることによる健康被害について詳しく解説しています。なぜアスベストが危険と言われているのか、アスベストが原因とされている病気にはどのような者があるかなどについて気になっている方は、ぜひ参考にしてみてください。
アスベストとは?
アスベストは天然の細い繊維状の鉱物の一種で、「石綿」とも呼ばれています。価格が安いにも関わらず、火や熱に強く、防音性や吸湿性、対薬品性などに優れているため様々な建築現場などで活躍してきました。
特に、建物の断熱材や防音材、保温材といった用途で使われていることが多く、そのコストパフォーマンスの高さから「奇跡の鉱物」と呼ばれることもありました。
アスベストはなぜ危険と言われているのか?
以前は奇跡の鉱物とまで呼ばれていたアスベストですが、その構造が原因となり、現在では使用が禁止されてしまっています。アスベストは。細い針のようなものが束になったような構造をしており、1つ1つの繊維は約0.1μmほどの大きさで出来ているため目に見えず空気中に浮遊しやすいという特徴があります。
空気中に飛んでいるアスベストを吸い込んでしまうと、細い繊維が肺などに刺さってしまいます。本来であればこういった異物は体内で溶けてしまったり自然と外に排出されることが多いですが、アスベストは針のような形をしているため、肺などに刺さった状態で体内に留まってしまいます。また、酸に強い性質も持っているため、体内で溶けることもありません。そのため、長期間にわたりアスベストを吸入し続けてしまうと「石綿肺」や「原発性肺がん」「悪性中皮腫」といった病気を引き起こす可能性があるのです。
こういった健康被害への懸念から徐々にアスベストの規制は強くなっていき、2006年の9月からはアスベストの製造や使用が法律により全面的に禁止されています。
しかし、規制される前の建築物にはアスベストが使用されている可能性があるので、家の解体などをする際には、アスベストが使用されているかを調査する必要があるのです。
アスベストが原因となって引き起こされる病気
石綿肺
「石綿肺」は、アスベストを長期間吸い込み続けることによって肺が線維化してしまう「じん肺」と呼ばれる病気の一種です。潜伏期間が15〜20年ほどあると言われており、アスベストを吸い込まなくなった後も病気自体は進行しているというケースもあります。石綿肺の代表的な症状には、息切れや咳、運動能力の低下などがあります。
肺がん(原発性肺がん)
「肺がん(原発性肺がん)」は、肺細胞に入ったアスベスト繊維による刺激が原因となり発生するがんのこととされていますが、現在でも正確な発症のメカニズムは解明されていません。原発性肺がんの代表的な症状には咳や痰、胸の痛み、息苦しさといったものがありますが、一般的な呼吸器系の疾患にも同様の症状は見られるため、アスベストが原因の肺がんであると断定するのは難しいのが現状です。
一般的には15〜40年ほどの潜伏期間があると言われています。
悪性中皮腫
「悪性中皮腫」は、「胸膜」や「腹膜」、「心膜」といった場所にできる腫瘍のことを言います。胸膜は肺を取り囲む部分、腹膜は肝臓や胃などを囲む部分、心膜は心臓や大血管の起始部を囲む部分になります。代表的な症状は、胸の痛み、息苦しさ、咳などになります。
一般的な潜伏期間は20〜50年程度と言われています。
まとめ
アスベストは奇跡の鉱物とも呼ばれ、建材として建築などの分野で幅広く活躍してきました。しかし、アスベストを吸い込んでしまうと「石綿肺」や「肺がん(原発性肺がん)」「悪性中皮腫」といった病気を引き起こす可能性があり、2006年の9月以降は使用や製造が全面的に禁止されています。
アスベストが原因として引き起こされる病気はいずれも数十年の潜伏期間があるため、早期発見が難しいという問題もあります。