岡山にお住まいの皆様こんにちは!
アスベスト(石綿)は発じん性と呼ばれる飛散のしやすさによってレベル1〜レベル3に分けることができます。
そこでこの記事では、アスベスト(石綿)にどういった特徴があるのかと、発じん性のレベル毎の違いについて解説していきます。
そもそもアスベスト(石綿)にはどんな特徴がある?
アスベストとは「石綿」とも呼ばれる自然界に存在する鉱物繊維の一種です。耐火性や耐熱性、吸音性に優れており、さらに摩擦にも強く丈夫であるといった特徴があります。様々なメリットがあるにも関わらず、世界中の多くの場所で産出されることから安く手に入り、さらに加工もしやすいため建築現場では「奇跡の鉱物」と呼ばれていました。
多くの建築現場で活躍してきたアスベストですが、徐々に健康に悪影響があると指摘されるようになり、2006年の9月よりアスベスト製品の使用や製造が全面的に禁止となりました。
そのため、最近建築された建物であればアスベストが使用されている可能性はほぼありませんが、2006年以前に建築された建物の場合は、アスベストの規制が今ほど厳しくなかったため、建材として使用されている可能性があるのです。
アスベスト(石綿)が健康被害を引き起こすと言われる理由
なぜアスベストが健康被害を引き起こすと言われているのでしょうか?
実は、アスベスト自体には直接的な毒性があるわけではありません。しかし、アスベストの繊維は細く鋭い針のような形をしており、吸い込んでしまうと呼吸器系に入り刺さったままの状態で体内に残り続けてしまいます。本来であればこういった異物は溶けてなくなるか体外に排出されるのですが、アスベストは酸に強い性質を持っているため体内で溶けることがなく、刺さった状態のまま残ってしまうのです。
また、アスベストの繊維は非常に軽く空気中を漂ってしまうので吸い込みやすいという点も問題視されています。
少しの量を吸引するだけではそれほど問題はありませんが、長期間にわたり吸引し続けると、肺がん(原発性肺がん)や石綿肺、悪性中皮腫といった病気の原因となることがあります。
アスベスト(石綿)の発じん性のレベル毎の違い
冒頭でも軽く触れましたが、アスベストは「発じん性」の高さによってレベル1〜レベル3に分けられています。発じん性とは、粉塵の発生のしやすさのことで、数字が低いほど発じん性が高くなっています。
ここからは、レベル毎の違いについて簡単に解説していきます。
発じん性レベル1
アスベストの発じん性が一番高いレベル1は、除去作業時にマスクや保護具の装着をはじめとした徹底的な飛散防止措置を行う必要があります。レベル1に該当する建材は「石綿含有吹付け材」になり、鉄骨造建築物の柱や梁、立体駐車場の天井や壁、ビルのボイラー室の天井や壁などに使用されているケースがあります。
徹底した飛散防止措置と慎重な作業が必要になってくるため、除去費用は高額になってしまう傾向にあります。
レベル1の除去工事では下記の書類の提出が義務付けられています。
- 工事計画届
- 特定粉じん排出等作業届出書
- 建築物解体等作業届
発じん性レベル2
アスベストの発じん性レベル2は、「アスベスト含有耐火被覆材」や「断熱材」などの建材が該当し、建築物の柱や梁mビルのボイラー室の配管やダクトで使用されているケースが多いです。
除去工事を行う際には、レベル1と同様の書類の提出が義務付けられています。
発じん性レベル3
アスベストの発じん性レベル3は最も発じん性が低いレベルになり、先ほど解説したレベル1〜2に該当しないアスベストを含む建材が該当となります。主に、建築物の天井や壁、ビルのビニール床タイル、化学工場の配管・ダクトなどに使用されているケースが多いです。
もちろんアスベストの飛散リスク自体はあるため、慎重な作業が求められますが、レベル1〜2ほどの対策は必要なく、届出の提出も不要となっています。
2021年4月1日からは発じん性レベル3も規制の対象になっています
以前は発じん性レベル1とレベル2のみが規制の対象となっていましたが、2021年4月1日に法改正があり、発じん性レベル3も規制の対象となりました。また、2023年10月1日からはアスベストの事前調査に関する法律も改正され、アスベストの事前調査や分析は決まった資格を持つ者に限定されるようになりました。
このようにアスベストに関する法律は年々厳しくなってきており、アスベストの調査や除去工事は信頼できる業者に依頼をすることが大切です。
まとめ
アスベストは、耐火性や耐熱性、吸音性などに優れているにも関わらず安価に入手することができたため、多くの建築現場で活躍してきましたが、その一方で肺がん(原発性肺がん)や石綿肺、悪性中皮腫といった病気の原因となることがわかり、2006年の9月より使用と製造が全面的に禁止となりました。
発じん性の高さによってレベル1〜レベル3に分けることができ、レベル1やレベル2では特に慎重な作業と適切な飛散防止対策が義務付けられています。