岡山にお住まいの皆様こんにちは!
アスベストが含まれている建物の解体は通常の建物解体よりも慎重に作業をする必要があります。
この記事では、アスベストを含む建物を解体する際の流れについて詳しく解説していきます。解体工事前の事前調査や分析調査に関しても解説しているので、アスベストを含む建物の解体を検討している方はぜひ参考にしてみてください。
1. 事前調査・分析調査を行う
解体工事を行う前に、解体する建物にアスベストが含まれているかどうかを調査する必要があります。まずはどういった調査が必要なのかについて解説していきます。
1-1. 書面調査
アスベストの調査には「事前調査」と「分析調査」の2種類があり、まずは事前調査から行っていきます。事前調査ではまず建物の設計図などを確認する「書面調査」を行います。また、アスベスト含有吹付け材が規制された年代と建物が建てられた年からアスベストが使用されているかどうかを推測できる場合もあります。
1-2. 目視調査
書面調査だけでは、アスベストの使用状況の記載漏れや、建築当時はアスベストを使用していなかったがその後の改修でアスベスト含有建材が使われたといったケースには対応することができません。そのため調査員が実際に現場に行って建物の確認をする「目視調査」も行う必要があります。
1-3. 分析調査
事前調査を行った段階でアスベストが使用されていると判断できればその後の分析調査は不要になりますが、含まれていると判断できなかった場合などは、必要箇所の建材をサンプリングし分析を行う必要があります。
2. 調査結果の報告書作成
アスベストが含まれているかの事前調査結果は、地方自治体や労働基準監督署に工事前に報告することが義務付けられています。この報告書の提出は「石綿事前調査結果報告システム」を使用すれば、24時間いつでもオンラインで行うことができます。一度の操作で労働基準監督署と地方自治体の両方に報告できるというメリットもあります。
3. 解体工事の事前準備
アスベストが含まれている場合はもちろん、含まれていない場合でも粉塵が周囲に飛散してしまったり、騒音による迷惑を近隣の方にかけてしまう可能性があるため、解体工事の前には以下のような準備が必要になります。特にアスベストが飛散してしまうと従業員の方や近隣の方の健康被害につながる可能性もあるため、念入りに準備をすることが大切です。
- 近隣住民への工事の説明・挨拶
- 工事のお知らせの設置
- 足場や養生シートの設置
- ライフラインの撤去
4. アスベストの解体工事
アスベストを含む建物の解体をする際には、アスベストが飛散してしまわないように「水」や「粉じん飛散防止剤」をまいて、湿潤化を行ったうえで作業を進めていきます。飛散防止剤には、人体への影響が少ない無機系薬剤が使われるケースが多いです。
5. アスベストの処分とマニフェストの作成
除去したアスベスト含有建材はそのまま捨てていいわけではなく、産業廃棄物として適切に処分する必要があります。アスベスト含有建材は、破れないプラスチック袋を2重にしたり、丈夫な容器に詰めて保管しておきます。その際、必ず中身が「アスベスト廃棄物」であるとわかるよう記載しておきます。その後、アスベストを産業廃棄物処理業者などに渡して処分場へ運搬し、適切な処分を行います。
また、アスベストなどの産業廃棄物が適切な流れで処分されたことを確認するためのマニフェストの作成も義務付けられています。マニフェストは5年間の保存義務があるため、無くさず保管しておく必要があります。
まとめ
解体工事を行う際には、事前にアスベスト含有建材が使われているかどうかを書面調査と目視調査で調べる必要があり、それでもアスベストの使用有無が分からない場合は、建材の一部を採取して分析調査を行います。また、アスベストの含有調査結果は地方自治体や労働基準監督署に報告する義務があります。解体工事を行う際には、粉塵の飛散や騒音によるトラブルをなるべく避けるために、近隣の方への挨拶や足場・養生シートの設置をしっかり行っていきます。解体工事後のアスベスト含有建材は適切な処分を行い、正しく処分されたことを証明するためにマニフェストの作成することが義務付けられています。