アスベスト入り保温材の除去について解説します。
こんにちは。西日本全域でアスベスト調査・除去を手がけている西日本アスベスト調査センター(NARC)のブログ担当です。
古い建物の配管やボイラー周辺には、アスベストを含む保温材が今も残っているケースが少なくありません。「レベル2判定の保温材とは?」「除去費用や補助金制度を詳しく知りたい」とお考えの方も多いでしょう。
この記事では、レベル2保温材の特徴や危険性、アスベスト入り保温材が使われている主な場所、除去の流れや手順、費用相場と補助金活用法まで徹底解説します。解体工事やリフォームを検討中の方、または古い建物を管理している方はぜひ最後まで読んでみてください。
レベル2アスベスト保温材とは|特徴と健康被害リスク
レベル2保温材とは、通常時の飛散性はレベル1より低いものの、破損や工事時には繊維が飛び散る可能性があるアスベスト保温材を指します。代表例は吹付けロックウールや石綿含有配管保温材です。
吸入による中皮腫・肺がんなどの健康リスク
アスベスト繊維を吸い込むと中皮腫・肺がんなど深刻な疾患を引き起こす恐れがあります。特にレベル2保温材は、普段は飛散しにくくても工事中に大量の粉じんが発生する場合があり、作業者や近隣住民への影響が懸念されます。そのため、法令に従った適切な除去作業と、空気濃度測定などの安全確認が不可欠です。
アスベスト入り保温材が使用されている主な場所
昭和40年代から平成初期にかけて、アスベスト入り保温材は断熱・耐火目的で幅広く利用されました。現在も建物内部に残っていることが多く、リフォームや解体の際には注意が必要です。以下に主な設置場所と特徴をまとめます。
住宅・マンションの配管周り(給湯管・ボイラー室など)
- 給水管・給湯管、ボイラー室、浴室配管などに多用
- 地下配管や天井裏、壁内など目視確認が難しい箇所が多く、専門調査が不可欠
工場・商業施設の断熱材・ダクト
- 空調ダクト、工場配管、ボイラー設備など高温環境の断熱材として使用
- 複雑な配管が多く、除去時には高度な養生と湿潤化作業が必要
学校・病院など公共施設の設備
- 学校の機械室や病院のボイラー設備、給湯配管などでも断熱材として広く使用
- 外観だけでは石綿の有無を判別できず、顕微鏡分析が必須
アスベスト保温材の除去の流れと手順
レベル2に分類されるアスベスト入り保温材は、通常時の飛散リスクは低めです。しかし、解体やリフォーム時には繊維が空気中に舞いやすくなるため、法令に沿った除去手順が必須です。次に、専門業者が実際に行う除去作業の流れを分かりやすく解説します。

事前調査と行政への届出
- 2022年4月から、解体や改修工事を行う前にアスベストの有無を調べる事前調査が義務化。
- 専門業者が保温材の一部をサンプリングして顕微鏡分析を実施し、結果を自治体へ届出します。
作業区域の隔離養生と湿潤化
- 調査でアスベスト含有が確認された場合、作業区域をシートで完全に隔離。
- 同時に湿潤化(散水)を行い、粉じんの飛散を抑制。
- この段階で負圧集じん装置を設置し、作業空間外へのアスベスト流出を防ぎます。
保温材の除去作業と廃棄物処理
- 有資格者(石綿作業主任者)が保護具を着用し、手作業で保温材を慎重に取り外します。
- 取り外した保温材は二重梱包して「特別管理産業廃棄物」として搬出。
- 搬出後は許可を受けた最終処分場へ運搬し、埋立処理を行います。
空気濃度測定と完了報告
- 作業後、空気中のアスベスト濃度を測定して、環境基準(10本/ℓ以下など)を下回っているか確認。
- 基準値をクリアしたことを確認後、行政へ完了報告書を提出して作業が完了します。
【費用相場】アスベスト保温材除去の内訳と補助金活用法
アスベスト入り保温材の除去費用は、建物の規模や保温材の劣化状況、作業環境によって大きく変わります。次に、一般的な費用相場、費用を構成する内訳、そして補助金を活用しつつコストを抑えるための具体的なポイントを詳しく解説します。
保温材アスベスト除去の費用相場
- 一般住宅や小規模建物の場合、1㎡あたりおおむね5,000円〜10,000円程度が目安。
- 地下配管や天井裏など作業が難しい場所は搬入出の手間や養生面積が増えるため、1㎡あたり+1,000円〜2,000円程度上乗せされるケースがあります。
- 工場や商業施設など大規模現場では総額数百万円規模になるケースも。
費用を構成する主な内訳
アスベスト入り保温材の除去費用は、主に以下の項目で構成されます。
- 人件費:石綿作業主任者など有資格者による専門作業員の労務費
- 養生費:作業区域を完全隔離するシート・負圧装置など飛散防止設備の設置費
- 廃棄物処分費:特別管理産業廃棄物としての収集運搬・最終処分費
- 空気濃度測定費:除去後に環境基準を確認するための測定費用
- 追加費用:狭小地、夜間作業、重機回送など特殊条件がある場合に発生
自治体補助金・助成金の活用方法
- 西日本エリアでは、自治体がアスベスト除去費用の一部を助成する制度があります。
- 申請には事前相談・必要書類の提出・予算枠内での先着申請などが必要です。
- 制度によっては数十万円単位の補助が受けられる場合もあり、早めの申請が重要です。
安全で信頼できるアスベスト除去業者の選び方
アスベスト除去業者を選ぶ際は次の項目を確認しましょう。
- 石綿作業主任者など必要資格の有無
- 労災保険・請負業者賠償責任保険への加入状況
- 除去実績や過去の施工事例
これらを満たす業者であれば、法令遵守と安全な工事が期待できます。
よくある質問(FAQ)
A1:規模にもよりますが、一般住宅の配管保温材なら数日から1週間程度が目安です。
A2:外観だけでアスベストの有無を判定するのは非常に困難です。顕微鏡による分析や専門業者による調査が必要で、自己判断は危険です。
A3:個人によるアスベスト除去は法律で禁止されており、専門資格を持つ業者のみが作業可能です。自己判断で作業すると飛散防止措置が不十分となり、周辺住民への健康被害や法令違反による罰則を受ける恐れがあります。
A4:はい、アスベスト含有の有無を調べる事前調査だけの依頼も可能です。調査結果をもとに、除去が必要かどうか、補助金の対象となるかを判断できます。
まとめ|アスベスト調査・除去はNARCへ安心してご依頼ください
レベル2判定のアスベスト保温材は、通常使用では飛散しにくくても解体やリフォーム時には重大な健康被害を引き起こすリスクがあります。事前調査・行政届出・隔離養生・湿潤化・廃棄物処理を経て初めて安全が確保されます。アスベスト保温材の除去費用は1㎡あたり5,000円〜10,000円が相場ですが、自治体補助金を活用すれば数十万円単位の削減も可能です。
西日本アスベスト調査センター(NARC)は中四国全域(兵庫含む)で対応!アスベスト調査・除去までワンストップでサポートします。多数の実績を持つ西日本アスベスト調査センター(NARC)なら、個人様・法人案件にも柔軟に対応できますので、安心してご相談ください。
厚生労働省「アスベスト(石綿)情報」のページはこちら