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アスベスト除去工事に必要な服装とは?防護服の特徴をレベル別に解説!

アスベスト除去工事を行うときは、防護服の着用が必須です。「アスベストのレベルによって服装の違いはある?」「防護服とはどのようなもの?」という点が気になる方もいるでしょう。本記事では、レベルごとの作業時の服装や、防護服の特徴を紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。

そもそもアスベストとは?

そもそもアスベストとはどのようなものか、詳しく知らない方もいるかもしれません。まずは、アスベストの概要と危険性を解説していきます。

アスベストの概要

アスベストは細い繊維状の鉱物です。防音性や断熱性に優れており「奇跡の鉱物」として多くの建築物に使用されていました。しかし、アスベストは人体に影響を及ぼす可能性があることが分かり、現在は使用が禁止されています。アスベストはレベル1〜3に分けられ、レベルごとに除去作業時の対処法や服装が異なります。

2006年からアスベスト含有建材の使用や製造が禁止に

アスベストが含まれた建材の使用・製造が禁止されたのは2006年です。そのため、2006年以前に建てられた建築物には、アスベストが使用されている可能性があります。アスベストの飛散による健康被害を防ぐため、建物を解体する時は必ず事前にアスベストの有無を調査しなければなりません。

アスベストによる健康被害

アスベストを大量に長期間吸い込むと、石綿肺、悪性中皮腫、肺がんなどを発症する可能性があります。潜伏期間が30〜40年と長いため、症状が現れたときには病状が進行していることも多いです。

石綿肺

石綿肺とは、肺が線維化し呼吸困難が生じる病気です。アスベストの粉じんを10年以上吸い込んだ人が発症しやすく、15〜20年の潜伏期間があります。

悪性中皮腫

悪性中皮腫は、肺を囲む胸膜や肝臓・胃などを囲む腹膜にできる腫瘍です。若い時期にアスベストを吸い込んだ人は、より悪性中皮腫が発症しやすいとされています。潜伏期間は20〜50年と長期間であることが特徴です。

肺がん

肺細胞に取り込まれたアスベストにより、肺がんを発症することもあります。ただし、肺がんは喫煙の影響で発症することも多く、アスベストと肺がんの直接的な関係性はまだ解明されていません。潜伏期間は15〜40年で、アスベストのばく露量が多いほど発症率が高いとされています。

アスベストのレベル毎の作業時の服装

アスベストは、危険度によって1〜3のレベルに分類されています。アスベストの除去工事を行うときは、レベル毎に適切な服装でアスベスト対策をしなければなりません。

アスベストレベル1の概要と服装

レベル1のアスベストは、最も危険度が高く人体に影響を及ぼす可能性があります。レベル1に該当する主な建材は「アスベスト含有吹き付け材」で、飛散性が大変高いです。除去作業を行う際は、この後の項で解説する防護服・防護用品の着用が必要です。

アスベストレベル2の概要と服装

レベル2のアスベストは、レベル1に比べるとやや飛散性は低いものの、人体への影響が懸念されます。レベル2に該当する主な建材には「アスベスト含有耐火被覆材」や「アスベスト含有保温材」があります。除去作業を行うときは、レベル1と同じく防護服・防護用品の着用が必要です。

アスベストレベル3の概要と服装

レベル3のアスベストは、レベル1・2に比べて最も飛散性が低いです。主な建材は「アスベスト含有成形板」で、防護服ではなく作業服での除去作業が可能です。またレベル3は、1〜3のレベルの中で唯一アスベスト専門業者でなくても作業が行えます。

アスベスト除去工事に必須となる防護服の特徴

先述したように、アスベスト除去工事の際は防護服を着用しなければなりません。続いては、除去工事で着用する防護服の特徴を解説します。

JIS T 8115の浮遊固体粉じん防護用密閉服(タイプ5)同等品以上のもの

アスベストを除去するときは「JIS T 8115の浮遊固体粉じん防護用密閉服(タイプ5)」という規格・種類の防護服を着用するのが基本です。化学防護服には用途ごとに「気密性」「密閉服」「部分化学防護服」の3種類があり、アスベスト除去の際は「密閉服」「タイプ5」の防護服が必要です。

つなぎのように服が一体化している

アスベスト除去工事をしていると、粉じんが防護服の中に入ってくる可能性があります。そのため、服の上下がつながっている「つなぎ」タイプの防護服が必須です。粉じんが付着しにくい滑らかな素材のものが望ましいでしょう。あわせてマスクや手袋などを着用するときは、結合部をテーピングして一体化させなければなりません。

使い捨てタイプになっている

一度着用した防護服には、大量のアスベストが付着しているため、現場から出る度に廃棄します。そのため、繰り返し着用できるものではなく、使い捨てタイプであることが大切です。廃棄をするときは、通常の廃棄物ではなく「特別管理作業廃棄物」として厳重に処理を行います。

防護服と作業服の違い

レベル1〜2のアスベストを除去するときは「防護服」の着用が必須です。一方で、レベル3のアスベストを除去する際は「作業服」での作業も可能です。防護服と作業服には以下のような違いがあり、用途や目的によって使い分ける必要があります。

防護服作業服
生地の表面がフラット生地の表面がデコボコ
粉じんが侵入しにくい粉じんが侵入しやすい
有害物質と皮膚の接触を防ぐ汚れの付着を防ぐ

アスベスト除去工事に必要な防護服や用品の種類

アスベスト除去工事の際には、防護服以外にも防護用品の着用が必要です。「防護用品」と聞いてもどのようなものかピンと来ない方もいるでしょう。ここでは、防護服・防護用品の種類をご紹介します。

①防護服

ここまで紹介してきたように、アスベストを除去するときは防護服、もしくは作業服を着用しなければなりません。ポイントは密閉性・上下一体型・使い捨てであることで、表面がフラットで粉じんが付きにくいものが適しています。

②防塵マスク

アスベストの吸入を防ぐためには、防塵マスクの着用も必要です。マスクと聞いてイメージする医療用マスクとは違い、口の周りをしっかり覆うことができる立体的なものが基本です。中には、保護メガネと一体化していて顔全体を覆うタイプもあります。

③防護メガネ

飛沫や粉じんの侵入を守るために防護メガネの装着も欠かせません。防護メガネは、耳に掛けるタイプや、ゴーグルのように顔との密着度が高いものなど様々な種類があります。ゴーグルタイプは隙間から粉じんが侵入するのを防いでくれ、落下の危険性も低いというメリットがあります。

④手袋・フード

化学防護手袋(グローブ)の着用も大切です。手首までしっかりと長さがあり、アスベストから皮膚を守ってくれます。また、防護服にフードが付いている場合は、フードを被るとより頭部を保護できるでしょう。中でも透明のフェイスシールドが付いたフードは、顔全体を覆えて安心です。

⑤シューズカバー

靴の上には使い捨てのシューズカバーを装着します。靴の隙間から粉じんが侵入したり、足首にアスベストが触れたりしないように、足首の部分でギュッと縛れるものが多いです。

まとめ

アスベストは建築の際に重宝された鉱物でしたが、石綿肺、悪性中皮腫、肺がんなどの原因になることが明らかになり、2006年に使用・製造が中止されました。アスベストは1〜3のレベルに分類され、レベルごとに適切な処置が必要です。特にレベル1、2は除去作業の際に防護服が必要なほど飛散性・危険性が高いです。防護服は「密閉服」「上下一体型」「使い捨て」の物が必須で、合わせて防塵マスクやメガネ、手袋等を着用します。防護服と作業服は粉じんの侵入のしにくさ、表面の素材、機能性などに違いがあるため、用途によって使い分けなければなりません。

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西日本アスベスト調査センターは岡山で30年以上にわたり、アスベスト調査除去・解体工事業を行なっています。
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Writer この記事を書いた人

西日本アスベスト調査センター(NARC)

1988年設立の当センターは、岡山を拠点に中四国エリアでアスベスト調査・除去を専門としています。豊富な経験と専門知識を持つチームで、安全かつ迅速なサービスを提供。このブログではアスベストに関する重要な情報や安全対策を発信していきます。

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