こんにちは!中四国でアスベスト(石綿)調査・除去工事をおこなっています西日本アスベスト調査センター(NARC)のブログ担当です。
アスベスト(石綿)について「種類」を調べているあなたの疑問にしっかり寄り添います。
この記事では、アスベストの種類ごとの特徴や健康リスク、対処法、法律・規制まで幅広く解説します。
この記事を読むと、「アスベストの種類と違い」「安全に対応する方法」「最新の法規制」がわかります。
解体工事を検討している方や、建物にアスベストが含まれていそうで不安な方はぜひ最後まで読んでみてください!
アスベスト(石綿)とはなにか?
アスベストとは、天然に存在する鉱物で繊維状の結晶構造を持つ素材です。
耐熱性・耐久性に優れていたため、以前は断熱材・建材・ブレーキ部品など広範囲に使用されてきました。
建築現場で働く方にとっては、その危険性を知ることが安全確保の第一歩です。
アスベストの定義と歴史
アスベストは天然のケイ酸塩鉱物で、繊維状であることが特長です。20世紀中ごろまでは、耐火性・断熱性・絶縁性を活かして建材や工業製品によく使われました。
しかし、細い繊維が空気中に浮遊しやすく、吸入による健康被害が判明したため、多くの国で使用禁止となりました。
アスベスト(石綿)の主な種類と特徴
アスベストには6つの主要な種類があります。それぞれ色・硬度・用途・飛散性が異なるため、種類ごとの特徴を把握しておくことは、効果的な対策に直結します。
クリソタイル(白石綿)とは?
クリソタイルは白色のニシアスベストで、世界中で約90%使用された種類です。
柔らかく繊維が細いため、他の種類と比べて飛散しやすい性質があります。
屋根材やパイプ断熱材などに広く使われました。
私が現場で調査した古い工場では、天井裏に多量の白石綿が吹き付けられていました。
安全に除去するには、封じ込め処理と専門業者による全面撤去が必要です。
アモサイト(茶石綿)とは?
アモサイトは茶色で硬めの結晶構造を持ち、耐熱性が高いです。
日本では工場のボイラーや中央管に使用されました。
飛散性は中程度ですが、硬いため破壊時には粉塵が生じやすいです。
除去時に油断すると粉塵が舞い上がるため、高性能マスクと湿潤状態での作業が求められます。
クロシドライト(青石綿)とは?
クロシドライトは青色で最も細くて鋭い繊維を持ち、飛散性と生体内残留性が高いです。
そのため肺がんや中皮腫などのリスクが最も高いとされています。日本では主に工業用ガスケットや摩耗材に使われました。
現場で少量でも発見された場合には、迅速な隔離と即時の専門調査が不可欠です。
その他のアスベスト:トレモライト・アクチノライト・アンソフィライト
これらの種類は天然に混入した形で使われることが多く、単独使用は少なかったです。
トレモライトとアクチノライトは断熱材やセメントに混合されることがありました。
アンソフィライトも稀に混入されます。これらはいずれも吸入すると長期的な健康被害を引き起こす可能性があり、調査時には含有率や形態を詳細分析する必要があります。
アスベスト(石綿)種類による健康リスクの違い
アスベストは種類によって健康リスクに差があります。特に肺や胸膜への影響が深刻であり、種類ごとにリスク評価を行う必要があります。
発がん性と危険度の違い
国際がん研究機関(IARC)は、クリソタイル、アモサイト、クロシドライト、トレモライト、アクチノライト、アンソフィライトのすべてを発がん性グループ1に分類しています。
中でもクロシドライトは「最も強い発がん性」を持ち、肺がんリスクが高いとされています。
クリソタイルもリスクはあるものの、他の種類より発がん性は低いとされますが、吸入量が多ければ健康被害は同様に深刻です。
飛散性・被ばくリスクの違い
飛散性の高いクリソタイルやクロシドライトは、空気中に舞いやすく、吸入による被ばくリスクが大きいです。
逆にアモサイトなど繊維が太い種類では飛散量は少ないものの、破壊された際に局所的に高濃度の粉塵が発生します。建物の老朽化や改修工事時に高濃度エリアが発生することが多く、特に注意が必要です。
アスベスト(石綿)見分け方と検出方法
アスベストの見分け方と正確な検出方法を知ることが、安全対策において最も重要です。
肉眼での識別は可能?
目視だけで種類を特定することは困難です。クリソタイルは白く埃っぽい印象がありますが、アモサイトやクロシドライトは色合いで判別できる場合もあります。
しかし、これらに安易に頼るのは危険です。粉塵が飛散している場合には、健康被害が発生する可能性があります。
専門業者による調査と分析方法
アスベストの検出には、専門の試料採取と顕微鏡解析が必要です。調査手順は
①封じ込めと換気停止
②サンプル採取
③光学顕微鏡(PLM)または電子顕微鏡(SEM)による分析です。
私自身も現場でPLMとSEMを併用し、種類と含有量を正確に分析した経験があります。
その結果、除去計画の精度が高まり、作業の安全性向上につながりました。
アスベスト(石綿)にかんする法律と規制
日本の法律では、アスベストに関して使用禁止や解体時の手続きが厳格に定められています。
日本における使用禁止の経緯
日本では2006年にすべてのアスベストの製造・輸入が禁止されました。
これ以前はクリソタイルは1995年まで使用が認められていました。
現在では、既存建築物の解体や改修時に専門業者による調査・届出が義務付けられています。
建築物の解体・リフォーム時の注意点
解体や改修工事を行う際には、事前に「石綿使用建築物等調査者」が調査を実施し、含有の有無を届け出る必要があります。
含有が確認された場合には都道府県知事への届出と、作業は届出済みの講習を受けた作業従事者によって行わなければなりません。
違反した場合には罰則が科されるため、施工会社として遵守が必須です。
まとめ
この記事では、アスベスト(石綿)の種類ごとの特徴、健康リスク、見分け方と検出方法、法規制までをわかりやすく解説しました。
特に種類によって飛散性や発がん性に差があるため、適切な調査と除去計画が必要です。
建築や解体工事に関わる方は、専門知識と正確な対応が求められます。
西日本アスベスト調査センター(NARC)は、これまで多数の現場で実績があり、中四国エリア【兵庫含む】(岡山・広島・山口・島根・鳥取・香川・徳島・愛媛・高知)で迅速かつ安全な対応を提供しています。
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