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アスベスト(石綿)が法律で禁止されたのはいつ?年代別の規制強化の歴史と未来

こんにちは!中四国でアスベスト(石綿)調査・除去工事をおこなっています西日本アスベスト調査センター(NARC)のブログ担当です。

近年、建物の解体やリフォームを検討されているお客様から、「アスベスト(石綿) 使用禁止 いつから」というご質問を多くいただきます。

この疑問は、お客様の建物にアスベストが残っているか、そして解体時にどのようなリスクと費用が発生するのかに直結する、非常に重要な問題です。

アスベストの健康被害が深刻化する中、いつから、どのように規制が強化されてきたのかを知ることは、建物の所有者としての義務とも言えます。

この記事では、アスベスト(石綿)が最初に規制された1975年から、実質的な全面禁止となった2006年、さらに完全禁止が確定した2012年までの法規制の歴史を、時系列で詳細に解説します。

また、規制後も既存の建物に残るアスベストのリスクと、2022年4月より義務化された最新の事前調査制度についても、具体的な事例を交えて徹底的にご紹介します。

この記事を読むと、アスベスト(石綿)の規制の正確な年代、健康被害の種類と潜伏期間、そしてご自身の建物で解体・リフォームを行う際に必要な事前調査の具体的な手続きと流れが分かります。

2006年以前に建てられた建物を所有している方、今後解体や大規模なリフォームを予定している方、そして安心・安全な建物環境を次世代に残したいと願う方はぜひ最後まで読んでみてください!

アスベスト(石綿)の使用禁止はいつから?法規制の歴史と変遷を解説

「アスベスト(石綿) 使用禁止 いつから」という疑問に対する答えは、実は一つの年代でスパッと区切れるものではなく、日本の法規制が段階的に強化されてきた歴史をたどる必要があります。

アスベストは長期間にわたりさまざまな建材に使用されてきたため、その規制も特定の製品や含有率を限定しながら、徐々に厳しくなっていきました。

アスベスト(石綿)が最初に規制された年代とその背景

日本におけるアスベスト規制の最初の大きな一歩は、1975年に踏み出されました。

当時の規制は、労働安全衛生法施行令の改正により施行され、特に危険性が高いとされていた「吹き付けアスベスト」の製造や使用が原則禁止されました。吹き付けアスベストは、建物の天井や梁に直接吹き付けて使用され、含有率が高く、損傷すると繊維が飛散しやすいため、最も深刻な健康被害を引き起こすことが懸念されていました。しかし、この時点では、アスベスト含有製品全体の使用禁止ではなく、規制対象となるアスベストの含有率も5%を超えるものに限定されていました。この時期はまだアスベストの危険性が十分に認識されておらず、その他の成形板や非飛散性アスベスト製品は引き続き流通・使用されていたため、アスベストの使用自体が全面的に停止されたわけではありませんでした。

2004年の製造禁止と2006年の完全禁止:アスベスト(石綿)規制のターニングポイント

アスベストの健康被害に関する国際的な情報や国内での中皮腫などの発症事例が増加したことを受け、規制はさらに大きく強化されます。アスベスト規制における最も重要なターニングポイントが訪れたのは、2006年です。

2004年には、労働安全衛生法が改正され、約10種類の製品(ブレーキライニング材など)の製造・使用禁止措置が取られました。そして、その後も規制は加速し、2006年9月1日には、原則としてアスベスト(石綿)を0.1%を超えて含有する全ての製品の製造、輸入、譲渡、提供、使用が全面的に禁止されました。これは、実質的にアスベスト含有建材の国内での流通を完全に停止させる措置であり、「アスベスト(石綿) 使用禁止 いつから」という問いに対する最も一般的な答えとなります。その後、一部の猶予措置を経て、2012年には猶予されていた特定の製品についても使用禁止が確定し、日本におけるアスベストの全面的な新規利用は完全にストップしました。

アスベスト(石綿)が広く使用されていた理由と健康被害の深刻さ

規制が段階的に強化され、最終的に使用禁止に至った背景には、アスベストが過去に非常に優秀な建築材料であったという側面と、その裏側にある深刻な健康被害の事実があります。

過去にアスベスト(石綿)が広く利用されてきた理由とそのメリット

アスベスト(石綿)は、高度経済成長期から2006年の使用禁止に至るまで、日本の建築業界において「奇跡の鉱物」とも呼ばれて重宝されてきました。その理由は、他の材料にはない優れた特性を複数持っていたからです。

まず、アスベストは非常に高い耐熱性を持っており、火災時の延焼を防ぐ防火材として非常に優れていました。次に、繊維状の構造を持つため断熱性・保温性が高く、建物のエネルギー効率を高めるのに役立ちました。さらに、化学薬品への耐性や耐摩耗性、そして引張強度に優れているため、セメントと混ぜて強度を高める補強材としても広く活用されました。極めつけは、これらの優れた特性を持ちながら、他の代替品と比較して非常に安価であったため、建材コストを抑えたい当時の建設業界にとって、アスベストはなくてはならない材料だったのです。

アスベスト(石綿)による主な健康被害と潜伏期間の長さのデメリット

アスベストが全面的に使用禁止となった最大の理由は、その粉塵を吸い込むことによる深刻な健康被害です。アスベストの繊維は非常に細かく(髪の毛の約5000分の1)、一度肺に吸い込まれると排出されずに体内に残り続けます。

最大のデメリットは、アスベスト関連疾患の潜伏期間が極めて長いことです。中皮腫や肺がんといった深刻な疾患は、アスベストを吸入してから発症するまでに20年から50年という長い年月を要します。そのため、アスベストの使用が盛んだった時代に作業に従事していた方々が、規制が強化された後の現代になって発病するケースが後を絶ちません。代表的な疾患には、肺を覆う膜にできる悪性腫瘍である中皮腫、肺の線維化を引き起こす石綿肺、そして肺がんなどがあり、どれも命に関わる重篤な病気です。私も過去に解体現場で長年働かれていた方から、「健康診断で肺に影が見つかった」と相談を受け、その後の人生を大きく左右するアスベストの怖さを痛感した経験があります。

アスベスト(石綿)使用禁止後も残るリスク!規制対象外建物の調査義務

「アスベスト(石綿) 使用禁止 いつから」という疑問の答えが2006年だとすると、それ以降に建てられた建物にはアスベストは基本的に含まれていないと考えて問題ありません。しかし、2006年以前に建てられた建物は、現在でも日本中に大量に残っており、これらが解体・改修される際に大きなリスクとなります。

規制年代より前に建てられた建物にアスベスト(石綿)が残る可能性

アスベストが全面禁止となったのが2006年9月1日であるため、この日よりも前に着工された建物や、資材がストックされていた建物には、アスベスト含有建材が使用されている可能性が非常に高いです。特に、1980年代以前に建てられたマンションや工場、倉庫などでは、アスベストを大量に含む吹き付け材や保温材、屋根材(スレート材)などが多く使われています。

これらの古い建物を取り壊す解体工事や、大規模なリフォームを行う際には、アスベストの繊維が飛散し、周辺環境や作業員の健康を脅かすリスクがあります。そのため、アスベストの使用禁止以前に建てられたすべての建物において、解体・改修工事の前には、必ずアスベストの有無を調査することが、建物の所有者や発注者に義務付けられています。この調査を怠ることは、法令違反に直結し、将来的な健康被害の原因となります。

2022年4月施行!アスベスト(石綿)調査の義務化と解体時の流れ

既存建物に潜むアスベストのリスクを管理するため、日本政府は規制をさらに強化し、2022年4月1日より大気汚染防止法などが改正され、アスベストの事前調査結果の「報告」が義務付けられました。

具体的には、解体工事で80㎡以上の床面積を解体する場合、または改修工事で請負金額が100万円以上となる場合には、着工前に有資格者によるアスベストの事前調査を行い、その結果を都道府県などに電子システムで報告することが義務付けられました。さらに、2023年10月1日からは、この事前調査を行うことができるのが、特定のアスベスト調査に関する資格(建築物石綿含有建材調査者など)を持つ者のみに限定されました。これにより、調査の専門性と信頼性が大幅に向上しました。解体工事は、まずこの事前調査と報告を徹底的に行った後、アスベストが発見された場合には専門的な除去工事を経て、初めて安全な解体作業へと進む流れになります。

アスベスト(石綿)調査・除去の専門家を選ぶメリットとデメリット

「アスベスト(石綿) 使用禁止 いつから」という歴史を知ることは重要ですが、最も重要で具体的な行動は、安全かつ適正にアスベストの調査と除去を行うことです。そのためには、私たちのような専門業者を選ぶことが不可欠です。

専門業者にアスベスト(石綿)調査・除去を依頼するメリット

私たちのようなアスベスト調査・除去の専門業者に依頼することには、多くのメリットがあります。

第一に、専門業者はアスベスト関連の最新の法令や規制(2023年10月の有資格者による調査義務化など)を完全に把握しており、法令遵守のもとで工事を遂行できるメリットがあります。第二に、専門的な知識と経験に基づいて、アスベストの種類や飛散リスクを正確に評価し、最適な除去工法を選択できるため、周辺環境や作業員の健康被害リスクを最小限に抑えられます。第三に、調査から除去、廃棄物処理に至るまでの一連の流れをワンストップで、適正な費用と工期で提案できるため、発注者側で個別に手配する手間とコストを削減できます。第四に、正確な調査と計画に基づき工事を進めるため、予期せぬトラブルによる工期遅延や追加費用の発生を未然に防げるという大きなメリットがあります。

専門業者にアスベスト(石綿)調査・除去を依頼しないことのデメリット

逆に、アスベスト調査・除去を専門ではない業者に依頼したり、自己判断で作業を進めたりすることには、極めて大きなデメリットが存在します。

最も深刻なデメリットは、法令違反による罰則を受けるリスクがあることです。2023年10月以降、有資格者ではない者が調査を行った場合や、調査報告を怠った場合には、最大で30万円の罰金が科される可能性があります。次に、不適切な方法でアスベストを除去した場合、アスベスト繊維が大量に飛散し、作業員や近隣住民に深刻な健康被害を与えるリスクが非常に高くなります。さらに、アスベストを含む産業廃棄物を適正に処理できなかった場合、不法投棄と見なされ、厳しい行政処分や社会的信用の失墜につながります。最後に、不適切な処理が原因で後から再調査や再除去が必要になった場合、当初の予定を大幅に超える追加費用と工期の遅延が発生する可能性が高いというデメリットがあります。

まとめ

本記事では、「アスベスト(石綿) 使用禁止 いつから」という疑問に対し、日本の法規制が1975年の限定的な規制から、2006年の原則全面禁止、そして2012年の完全な使用禁止へと段階的に移行してきた歴史を詳細に解説いたしました。

最も重要な点は、アスベストが全面禁止になった2006年よりも前に建てられた建物には、現在も依然として多くのアスベスト含有建材が残っているということです。

そして、これらの既存のアスベスト含有建材に対する事前調査と報告は、2022年4月から法律で義務付けられています。

解体・改修工事を安全かつ適正に進めるためには、資格を持った専門業者による正確なアスベスト調査が不可欠です。

中四国エリア【兵庫含む】(岡山・広島・山口・島根・鳥取・香川・徳島・愛媛・高知)でのアスベスト調査・除去を検討している方は、迅速な対応で選ばれている西日本アスベスト調査センター(NARC)の記事を参考にしてくださいね!

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Writer この記事を書いた人

西日本アスベスト調査センター(NARC)

1988年設立の当センターは、岡山を拠点に中四国エリアでアスベスト調査・除去を専門としています。豊富な経験と専門知識を持つチームで、安全かつ迅速なサービスを提供。このブログではアスベストに関する重要な情報や安全対策を発信していきます。

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