こんにちは!中四国でアスベスト(石綿)調査・除去工事をおこなっています西日本アスベスト調査センター(NARC)のブログ担当です。
ご自宅の屋根、特に築年数が経過したカラーベスト屋根を見ると、「これってアスベスト(石綿)は入っているのかな?」と不安に感じる方も多いのではないでしょうか。
また、「リフォームや解体を考えているけれど、アスベストが心配でなかなか踏み切れない」という方もいらっしゃるかもしれません。
このコラムでは、そんな皆さんの疑問や不安を解消するために、アスベスト(石綿)と屋根材カラーベストの関係について詳しく解説します。
この記事を読むことで、ご自宅の屋根に潜むリスクを正しく理解し、適切な対処法や費用、信頼できる業者の選び方までが分かります。
築年数が古いお家にお住まいの方、リフォームや解体を検討している方は、
屋根材(カラーベスト)とは?
屋根材として広く普及しているカラーベストは、正式には化粧スレートと呼ばれています。
セメントと繊維質を混ぜ合わせて作られた薄い板状の屋根材で、軽量でありながらも耐久性や防火性に優れているのが特徴です。
その普及率は高く、一戸建ての住宅では約7割の屋根に使われていると言われています。
実は、このカラーベストを含む多くの建材に、かつてはアスベストが使われていました。
アスベストは、非常に安価でありながら、耐熱性、耐久性、引張強度に優れていたため、「夢の鉱物」とも呼ばれていました。
屋根材にアスベストを混ぜることで、ひび割れや反りを抑え、強度を高める目的があったのです。
しかし、アスベストが健康被害を引き起こすことが明らかになり、段階的に使用が禁止されました。
アスベスト(石綿)含有のカラーベストはいつまで製造されていた?
アスベスト(石綿)を含む屋根材は、日本国内で2004年(平成16年)まで製造されていました。
特に、1990年代後半から2000年代初頭にかけては、アスベストの使用量が少なくなっていましたが、完全にゼロになったわけではありません。
2006年に建築資材へのアスベストの使用が全面的に禁止されたことで、現在流通している屋根材にはアスベストは含まれていません。
そのため、築20年以上の住宅の屋根には、アスベスト(石綿)含有のカラーベストが使用されている可能性が高いと言えます。
築年数別!カラーベスト屋根の劣化とアスベスト飛散のリスク
屋根材カラーベストは、経年劣化によってその状態が大きく変化します。
築年数が浅い場合は問題ありませんが、年月が経つにつれて表面の塗膜が剥がれ、屋根材そのものが劣化していきます。
築10年~20年のカラーベスト屋根の状態とリスク
この時期のカラーベストは、表面の塗膜が劣化し、色褪せやチョーキング現象(触ると白い粉が付く状態)が見られるようになります。
また、屋根全体にコケや藻が発生することもあります。この段階では、屋根材自体に大きな破損やひび割れは少ないため、**アスベスト(石綿)**が飛散するリスクは比較的低いとされています。
しかし、注意が必要なのは、この時期に行われることが多い高圧洗浄です。
高圧洗浄はコケや藻を落とすために有効ですが、水圧が強すぎると、アスベスト(石綿)を含んだ屋根材の表面が削れてしまい、飛散する危険性があります。
そのため、アスベスト(石綿)の可能性がある屋根への高圧洗浄は避けるべきです。
築20年以上のカラーベスト屋根の状態とリスク
築20年を超えると、カラーベストの屋根材そのものが寿命を迎える時期に入ります。
色褪せやコケの発生はもちろん、屋根材の反り、ひび割れ、欠けが目立つようになります。
また、防水シートやルーフィング材も劣化が進み、雨漏りのリスクが高まります。
この状態になると、屋根材の隙間から雨水が浸入し、屋根の下地材まで傷めてしまうことがあります。
さらに、ひび割れた部分や欠けた部分からアスベスト(石綿)が飛散するリスクが高まります。
実際に私の知人で、築30年の一戸建てを購入した方がいました。その方は、自分で屋根を点検しようと屋根に上がったところ、カラーベストが何枚も割れていて、ヒヤッとしたそうです。
その際、アスベスト(石綿)の可能性を考え、すぐに専門業者に相談していました。
アスベスト(石綿)含有屋根の対処法と費用
アスベスト(石綿)が含有されているカラーベストの屋根をどのように対処すればよいのでしょうか。大きく分けて「カバー工法」と「葺き替え工法」の2つの方法があります。
カバー工法(重ね葺き工法)のメリット・デメリット
カバー工法とは、既存の屋根材を撤去せずに、その上から新しい屋根材を重ねて葺く方法です。
メリット
アスベスト飛散リスクの低減
既存の屋根材を撤去しないため、アスベスト(石綿)の飛散リスクを大幅に抑えることができます。これは、大気汚染防止法などの法律で定められた厳しい飛散防止対策が不要となるため、環境面でも安全な工法です。
工期と費用の削減
既存の屋根材を撤去・処分する費用や手間が不要になるため、葺き替え工法に比べて工期が短く、費用も安く抑えられます。一般的な相場は、70~120万円程度です。
断熱性・遮音性の向上
屋根が二重になることで、断熱性や遮音性が向上します。夏の暑さや冬の寒さを和らげ、雨音も軽減される効果が期待できます。
廃材処理費の節約
アスベスト(石綿)を含有した屋根材の処分には、特別な手続きと費用が必要です。カバー工法ではこの費用が発生しないため、コスト面で大きなメリットがあります。
デメリット
屋根の重量増加
新しい屋根材を重ねるため、屋根全体の重量が増加します。屋根の重量が増えると、地震時の建物への負担が大きくなる可能性があります。
下地材の確認ができない
既存の屋根材の下地(防水シートなど)が劣化していても、その状態を確認・補修することができません。もし下地が傷んでいる場合は、将来的に雨漏りなどのトラブルにつながる可能性があります。
根本的な解決にはならない
あくまで既存の屋根材を覆うだけなので、屋根材自体はそのまま残ります。将来的に再度リフォームを行う場合は、カバー工法で重ねた屋根と元々の屋根の両方を撤去する必要が出てきます。
葺き替え工法(撤去工法)のメリット・デメリット
葺き替え工法とは、既存のカラーベスト屋根をすべて撤去し、新しい屋根材に交換する工法です。
メリット
屋根の軽量化
既存の重いアスベスト(石綿)含有屋根材を撤去し、軽量な新しい屋根材に交換することで、建物全体の耐震性が向上します。地震の多い日本においては、非常に重要なメリットです。
下地の状態を点検・補修できる
既存の屋根材を撤去するため、その下の防水シートや野地板といった下地材の状態を直接確認できます。劣化している場合は補修や交換ができるので、雨漏りのリスクを根本から解消できます。
根本的な解決
屋根材をすべて新しくするため、屋根全体の寿命を延ばすことができます。将来的な再リフォームの手間や費用を抑えることが可能です。
デザインの自由度
既存の屋根材に縛られず、新しい素材やデザインの屋根材を選ぶことができます。
デメリット
高額な費用
既存の屋根材の撤去費用、アスベスト処分費用、新しい屋根材の設置費用がかかるため、カバー工法に比べて費用が高くなります。一般的な相場は、150~250万円程度です。
アスベスト飛散リスク
撤去作業中にアスベスト(石綿)が飛散するリスクがあります。そのため、専門的な知識と技術を持った業者が、厳格な飛散防止対策(養生、湿潤化など)を行いながら慎重に作業を進める必要があります。
信頼できる業者を見つけるためのチェックポイント
アスベスト(石綿)含有のカラーベスト屋根のリフォームや解体を依頼する際には、信頼できる業者を選ぶことが非常に重要です。
1. アスベスト調査の資格の有無を確認する
アスベスト調査には専門的な知識が必要です。
「アスベスト診断士」や「石綿作業主任者」といった資格を持つ担当者がいるか確認しましょう。
資格を持つ専門家は、アスベスト(石綿)の種類や建材の特定、適切な処置方法について正確な情報を提供してくれます。
2. 適切な飛散防止対策を説明してくれるか
葺き替え工法を検討する場合、大気汚染防止法に基づいた飛散防止対策が必須です。
具体的にどのような養生や湿潤化を行うのか、作業員の防護服やマスクの着用についても説明を求めるべきです。
3. 見積もりの内訳が詳細か
撤去費用、処分費用、新しい屋根材の費用など、見積もりが項目ごとに細かく記載されているか確認しましょう。
「一式」とまとめて書かれている場合は、追加費用が発生するリスクがあるため注意が必要です。
アスベスト(石綿)の処分費用は、通常の産業廃棄物とは異なるため、内訳を明確にしてもらうことが大切です。
4. 実績と評判を確認する
過去にアスベスト(石綿)含有建材の工事実績が豊富か、ウェブサイトや口コミで評判をチェックしましょう。
実績が豊富な業者は、様々なケースに対応できるノウハウを持っています。
まとめ
築年数が経過したアスベスト(石綿)含有のカラーベスト屋根は、適切な時期に適切な対処を行うことが重要です。
劣化が進むとアスベスト(石綿)の飛散リスクが高まり、健康被害につながる可能性もゼロではありません。
ご自宅の屋根がアスベスト含有のカラーベストかどうかを判断するには、専門家による調査が最も確実な方法です。
自己判断で高圧洗浄をしたり、安易なリフォームを依頼したりすることは避けましょう。
今回のコラムが、皆さんのアスベスト(石綿)に関する不安を解消し、適切な行動をとるきっかけになれば幸いです。
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