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築年数でわかる!アスベスト(石綿)屋根材の健康リスクと調査・除去費用の目安

こんにちは!中四国でアスベスト(石綿)調査・除去工事をおこなっています西日本アスベスト調査センター(NARC)のブログ担当です。

近年、建物の解体やリフォームの際にアスベスト(石綿)含有の有無が大きな問題となっています。特に、私たちの生活を雨風から守ってくれている屋根材は、過去にアスベスト(石綿)が多量に使われていた建材の一つです。屋根材に含まれるアスベスト(石綿)が劣化や解体作業によって飛散し、それを吸い込むことで健康被害を引き起こす可能性があるため、「自分の家の屋根は大丈夫なのか?」「解体する時にどうすればいいのか?」と不安に思われている方も多いのではないでしょうか。屋根材のアスベスト(石綿)問題は、単なる工事の手間ではなく、住む人の健康と安全に関わる重要な課題です。

この記事では、アスベスト(石綿)を含む屋根材がどのようなものか、なぜ使用されてきたのかという背景から、ご自宅の屋根材にアスベスト(石綿)が含まれているかを見分ける方法、そして安全かつ適法に解体・除去するための具体的な対策までを網羅的にご紹介します。

この記事を読むと、以下のことが分かります。

  • 過去にアスベスト(石綿)が屋根材に利用されていた理由と、その危険性
  • ご自宅の屋根材にアスベスト(石綿)が含まれているかを確認するための具体的なチェックポイント
  • アスベスト(石綿)を含む屋根材の種類ごとの特徴と健康リスク
  • アスベスト(石綿)屋根材の調査や解体・除去に関する最新の法規制と義務
  • アスベスト(石綿)屋根材の安全な対策工法(除去・封じ込め・囲い込み)の選び方と費用相場

ご自宅の解体、リフォーム、または不動産の売買を検討されている方は、アスベスト(石綿)に関する正しい知識を持ち、安全な対策を進めることが非常に重要です。特に、築年数が古い建物の解体を検討している方や、アスベスト(石綿)屋根材の処分費用や法規制について詳しく知りたい方はぜひ最後まで読んでみてください!

アスベスト(石綿)屋根材とは?その危険性と使用された背景

アスベスト(石綿)屋根材とは、その名の通り、人体に有害なアスベスト(石綿)繊維を原料の一部として製造された屋根に使用される建材のことです。

アスベスト(石綿)は、天然に存在する鉱物繊維であり、かつては「奇跡の鉱物」とも呼ばれていました。

これは、アスベスト(石綿)が持つ耐火性、断熱性、防音性、耐薬品性、そして安価であるという非常に優れた特性を持っていたためです。

特に建物の屋根材として使用されたのは、その耐久性の高さが評価されたからです。アスベスト(石綿)をセメントなどに混ぜて加工することで、建材の強度が増し、長期間にわたって風雨に耐えることができるようになります。

このため、1970年代から1990年代初頭にかけて、多くの住宅や建物の屋根材に幅広く利用されました。しかし、アスベスト(石綿)を吸い込むことで中皮腫や肺がんといった深刻な健康被害を引き起こすことが明らかになり、2004年に原則使用が禁止され、2006年には建材への使用が全面的に禁止されました。現在、過去に使用されたアスベスト(石綿)屋根材の安全な処理が大きな課題となっています。

アスベスト(石綿)が屋根材に使用された理由

アスベスト(石綿)が屋根材に積極的に使用されてきた最大の理由は、そのコストパフォーマンスの高さと機能性の優秀さにあります。屋根材にアスベスト(石綿)を混ぜることで、製品の強度を大幅に向上させ、ひび割れや摩耗に対する耐性を高めることができました。例えば、最も普及していたセメントを主成分とするスレート屋根材においては、アスベスト(石綿)を混入させることで、薄くても強度のある屋根材が安価に大量生産されたのです。

また、屋根材として重要な不燃性にも優れていました。アスベスト(石綿)は火に強く燃えにくいため、火災時の延焼防止に貢献すると考えられていたのです。これらの理由から、特に高度経済成長期の大量建築需要に応える形で、アスベスト(石綿)を含む屋根材は広く採用されることとなりました。しかし、その結果、現在多くの既存建築物にアスベスト(石綿)屋根材が残存し、解体や改修時に適切な対応が求められる状況となっています。

アスベスト(石綿)含有の屋根材を見分ける3つのチェックポイント

ご自宅の屋根材にアスベスト(石綿)が含まれているかどうかを一般の方が完全に断定することは困難ですが、いくつかのチェックポイントを押さえることで、含有の可能性をある程度判断することができます。これらの確認作業は、専門家による本格的なアスベスト(石綿)調査を依頼する前の準備としても有効です。

築年数からアスベスト(石綿)屋根材の可能性を判断する

アスベスト(石綿)が使用されていたかどうかの最も重要な判断材料の一つは、建物の築年数です。アスベスト(石綿)の使用が原則禁止されたのは2004年、建材への使用が全面的に禁止されたのは2006年です。そのため、2006年以前に建てられた建物、特に1970年代から1990年代初頭に建設された建物は、アスベスト(石綿)屋根材が使用されている可能性が非常に高いと考えられます。

例えば、1985年頃に建てられた木造住宅のスレート屋根は、高確率でアスベスト(石綿)を含有している「石綿含有スレート」である可能性があります。逆に、2007年以降に建てられた建物であれば、使用されている屋根材にアスベスト(石綿)が含まれている可能性は極めて低くなります。解体予定の建物の建築図面や登記簿謄本を確認し、正確な建築時期を把握することがアスベスト(石綿)屋根材の有無を推測する第一歩となります。

屋根材の種類と製品名からアスベスト(石綿)含有を確認する

次に、ご自宅の屋根材の種類と製品名からアスベスト(石綿)の有無を推測します。アスベスト(石綿)が使用されていた屋根材は、主にスレート(セメント系)や波板(ビニール、セメント系)などが挙げられます。特に、化粧スレートと呼ばれるセメント系薄型屋根材は、かつてクボタや松下電工(現パナソニック)などの大手メーカーから「コロニアル」や「フルベスト」といった製品名で大量に販売されていました。

建物の竣工図書やリフォーム時の資料に、使用された屋根材の製品名が記載されている場合があります。製品名が判明した場合、国土交通省や各建材メーカーのウェブサイトで公開されているアスベスト(石綿)含有建材のリストと照合することで、高精度でアスベスト(石綿)含有の有無を確認できます。例えば、「セキスイかわら」や「エクセル瓦」といった製品名が資料に見つかれば、それはアスベスト(石綿)含有の屋根材である可能性が高いと判断できます。

屋根材の状態からアスベスト(石綿)の飛散リスクを予測する

アスベスト(石綿)屋根材は、建材にアスベスト(石綿)がセメントなどで固められた「非飛散性アスベスト」に分類されることがほとんどです。しかし、経年劣化や破損によって、アスベスト(石綿)繊維が外部に露出・飛散するリスクが高まります。屋根材の状態を肉眼で確認し、その危険性を予測することが重要です。

  • ひび割れや欠けがある場合:屋根材の表面に目視できるひび割れや大きな欠けがある場合、内部のアスベスト(石綿)繊維が剥き出しになっている可能性があります。特に台風や地震などで物理的な損傷を受けた場合は注意が必要です。
  • コケやカビが大量に発生している場合:屋根材の表面がコケやカビで覆われ、塗膜の剥がれが進んでいる場合、表面の保護層が失われ、屋根材自体の劣化が進んでいるサインです。この状態は、アスベスト(石綿)繊維の風化・飛散リスクを高めます。
  • 表面が白っぽく粉を吹いている場合:屋根材のセメント質が風化し、白い粉状になっている(チョーキング現象)場合も、アスベスト(石綿)繊維の放出につながる危険性があります。

ただし、これらのチェックポイントはあくまで可能性を推測するためのものです。最終的なアスベスト(石綿)の有無は、専門の調査機関による分析調査で確定させる必要があります。

【種類別】アスベスト(石綿)を含む主な屋根材とその特徴

アスベスト(石綿)が使用された屋根材は多岐にわたりますが、中でも特に多くの建物で使用されてきた代表的な種類と、その特徴を理解しておくことで、アスベスト(石綿)対策の必要性を正しく判断できます。これらの屋根材の多くは、強度と耐久性を高めるためにアスベスト(石綿)繊維がセメントと混ぜて成形されています。

化粧スレート(コロニアル、カラーベストなど)

化粧スレートは、日本で最も普及しているセメント系薄型屋根材の一つです。軽量で意匠性に優れ、安価であったため、1970年代から2000年代初頭にかけての住宅に広く採用されました。アスベスト(石綿)含有製品の代表格であり、大手メーカーの製品名としては「コロニアル」や「カラーベスト」が有名です。

  • 特徴:薄い板状で、厚みは5mm程度です。比較的軽量であるため、耐震性にも優れるとされました。表面に塗装が施されており、定期的な塗り替えが必要となります。
  • アスベスト(石綿)含有時期:概ね1970年代から2000年代初頭に製造された製品にアスベスト(石綿)が含まれています。2000年代半ば以降は、アスベスト(石綿)を含まない「ノンアスベストスレート」へと切り替わっています。
  • 留意点:非飛散性アスベストではありますが、高圧洗浄やサンダー掛けなどの削る行為を行うと、アスベスト(石綿)繊維が飛散する危険性が高まります。

セメント瓦(波型スレート、厚形スレート)

セメント瓦は、粘土瓦よりも安価で耐久性を持たせるために、アスベスト(石綿)を補強材として使用していた時期があります。セメント瓦には、波打った形状の波型スレートや、厚みのある厚形スレートなど、様々な種類があります。

  • 特徴:粘土瓦に似た形状を持ちますが、セメントが主成分です。重量があるため、建物の耐震性には一定の影響を与えます。
  • アスベスト(石綿)含有時期:主に1970年代から1980年代に製造された製品にアスベスト(石綿)が含まれている可能性が高いです。製品の厚みが薄いものほど、アスベスト(石綿)の含有率が高くなる傾向があります。
  • 留意点:瓦自体の強度は高いですが、経年劣化によるひび割れや破損箇所からアスベスト(石綿)が飛散する可能性があります。

住宅用石綿セメント円筒

住宅用石綿セメント円筒は、屋根材として広く知られている建材ではありませんが、建物の換気口や煙突の囲いなどに使われている場合があります。セメントに多量のアスベスト(石綿)を混ぜて作られた円筒状の建材です。

  • 特徴:非常に頑丈で、耐火性にも優れています。主に配管や換気塔の保護に使用されていました。
  • アスベスト(石綿)含有時期:1970年代以前の古い建物で特に使用例が多いです。
  • 留意点:屋根材の取り換えの際に見落とされがちですが、これらもアスベスト(石綿)含有建材として適正な処理が必要です。

アスベスト(石綿)屋根材を放置するリスクと健康被害

現在、多くの建物に残存しているアスベスト(石綿)含有の屋根材は、「非飛散性アスベスト」に分類され、通常の状態であればアスベスト(石綿)繊維が飛散するリスクは低いとされています。しかし、この屋根材を放置し続けることには、いくつかのリスクが伴います。特に、建物の経年劣化が進むと、そのリスクは無視できなくなります。

アスベスト(石綿)飛散による健康被害のリスク増大

アスベスト(石綿)屋根材が経年劣化によりひび割れたり、表面の塗装が剥がれたりすることで、セメントで固められていたアスベスト(石綿)繊維が露出し、風雨や振動によって大気中に飛散する危険性が高まります。一度飛散したアスベスト(石綿)繊維は非常に細かいため、知らず知らずのうちに吸い込んでしまう可能性があります。

アスベスト(石綿)繊維の吸入は、中皮腫や肺がんといった重篤な健康被害を引き起こすことが科学的に証明されています。これらの病気は、アスベスト(石綿)を吸い込んでから数十年という長い潜伏期間を経て発症することが特徴です。そのため、現在健康に問題がないとしても、アスベスト(石綿)が飛散しやすい状態の屋根材を放置することは、将来の健康被害のリスクを背負い続けることになります。

法規制強化による解体・除去費用の高騰リスク

アスベスト(石綿)に関する法規制は年々強化されており、アスベスト(石綿)屋根材の調査や除去に関する義務も厳しくなっています。2022年4月からは、一定規模以上の解体・改修工事において、事前調査の結果を自治体へ報告することが義務化されました。今後、規制がさらに厳しくなれば、アスベスト(石綿)屋根材の処分費用や除去工事のコストが上昇する可能性があります。

現状でアスベスト(石綿)屋根材の処理を先延ばしにすることは、将来的により高額な費用を支払うリスクを負うことになります。また、法令に違反した不適切なアスベスト(石綿)処理を行った場合、罰則が科せられる可能性もあります。アスベスト(石綿)屋根材が健全なうちに、適切な対策を講じることが、健康と経済的負担の両面から賢明な選択と言えます。

アスベスト(石綿)屋根材の調査義務化と法規制の最新情報

アスベスト(石綿)屋根材を含む建物の解体やリフォームを行う上で、最も重要で無視できないのが法規制と調査義務です。法令を遵守しない工事は、罰則の対象となるだけでなく、作業者や周辺住民への健康被害を引き起こす可能性があります。特に2022年4月からの法改正により、アスベスト(石綿)調査に関する義務が大幅に強化されました。

事前調査結果の報告義務化

2022年4月1日から、大気汚染防止法の改正により、一定規模以上の解体・改修工事を行う際、アスベスト(石綿)調査の結果を自治体へ報告することが義務化されました。この報告義務の対象となるのは、アスベスト(石綿)屋根材のような非飛散性アスベストを含む建材が使われている可能性がある建物でも例外ではありません。

  • 対象となる工事:
    • 解体工事:解体部分の床面積の合計が80平方メートル以上の建築物
    • 改修工事:請負金額の合計が100万円以上(税抜き)の建築物
  • 報告内容:調査を行った者(アスベスト(石綿)調査者)の氏名、調査方法、アスベスト(石綿)の有無と種類、屋根材などの建材の種類、除去等の措置内容など、詳細な情報が含まれます。

この報告義務は、アスベスト(石綿)屋根材が使われている建物オーナーや解体工事業者に重く課せられます。適切な調査と報告を行わない場合、罰則が適用される可能性があるため、法令を遵守したアスベスト(石綿)調査を確実に行うことが必要です。

アスベスト(石綿)調査の実施主体と資格要件

アスベスト(石綿)屋根材を含むすべての建材の事前調査は、建築物石綿含有建材調査者という国家資格を持った専門家が行うことが義務化されています。この資格要件は、2023年10月1日から完全に施行されており、資格を持たない者が行った調査結果は、法令上の調査とは認められません。

  • 資格:特定建築物石綿含有建材調査者、一般建築物石綿含有建材調査者、戸建て等石綿含有建材調査者のいずれかの資格が必要です。
  • 調査主体:アスベスト(石綿)調査を請け負う解体工事業者や調査会社は、これらの資格を持つ者を必ず配置し、調査に当たらせる必要があります。

アスベスト(石綿)屋根材の調査を依頼する際は、その業者が資格を持った調査者を在籍させているかを必ず確認し、適法な調査を依頼することが重要です。私たち西日本アスベスト調査センター(NARC)では、資格を持った調査者が責任をもってアスベスト(石綿)調査を実施しています。

アスベスト(石綿)屋根材の除去・封じ込め・囲い込み工法のメリット・デメリット

アスベスト(石綿)含有の屋根材に対しては、主に「除去」「封じ込め」「囲い込み」の3つの対策工法が存在します。それぞれの工法にはメリットとデメリットがあり、屋根材の状態、建物の用途、費用、工期などを総合的に考慮して、最適な工法を選択する必要があります。

除去工法:最も安全性が高いが費用と工期がかかる

除去工法は、アスベスト(石綿)屋根材を文字通り建物から完全に撤去する最も根本的な対策です。屋根材を一つ一つ剥がし取り、指定された特別管理産業廃棄物として適切に処分します。

  • メリット:
    • アスベスト(石綿)を完全に建物から取り除くため、将来にわたる飛散リスクや健康被害のリスクがゼロになります。
    • 建物の解体時や将来の改修時に、改めてアスベスト(石綿)対策を行う必要がなくなります。
    • 屋根材を新しいものに交換するため、建物の美観や機能性(防水性、断熱性など)が向上します。
    • 法規制がさらに厳しくなっても、アスベスト(石綿)がない状態であれば影響を受けません。
  • デメリット:
    • 3つの工法の中で最も費用が高くなります。特殊な養生や廃棄物処理が必要なためです。
    • 工期が長くなり、天候にも左右されやすいため、工事期間中の生活に影響が出る可能性があります。
    • 屋根材を剥がす際に、一時的にアスベスト(石綿)繊維が飛散するリスクがあるため、厳重な飛散防止対策が必要です。
    • 屋根材の撤去に伴い、屋根下地の補修が必要になる場合があります。

封じ込め工法:費用を抑えられるが維持管理が必要

封じ込め工法は、アスベスト(石綿)屋根材の表面に専用の固化剤や塗料を塗布し、アスベスト(石綿)繊維を内部に固めて閉じ込める工法です。屋根材の物理的な撤去は行いません。

  • メリット:
    • 除去工法に比べて、工事費用を比較的安価に抑えることができます。
    • 工期が短いため、建物の利用に与える影響を最小限に抑えられます。
    • アスベスト(石綿)屋根材を剥がす作業がないため、工事中のアスベスト(石綿)飛散リスクが低いです。
    • 既存の屋根材をそのまま利用できるため、廃棄物が発生しにくいです。
  • デメリット:
    • アスベスト(石綿)自体は残るため、将来的な建物の解体時には、改めて除去工事が必要になります。
    • 塗布した固化剤や塗料が経年劣化により剥がれると、アスベスト(石綿)が再び飛散するリスクが発生します。
    • 定期的な点検とメンテナンス(再塗布など)が必要となり、維持管理コストがかかります。
    • 屋根材自体の劣化を根本的に改善するわけではありません。

囲い込み工法:建物の状況によっては選択肢となる

囲い込み工法は、アスベスト(石綿)屋根材の上から、新しい屋根材や金属板などで完全に覆ってしまう(カバーする)工法です。これも屋根材の撤去は行いません。

  • メリット:
    • 除去工法と比較して費用を抑えられ、工期も短縮できます。
    • 既存の屋根材を撤去しないため、アスベスト(石綿)飛散リスクが極めて低いです。
    • 新しい屋根材で覆うため、防水性や断熱性といった屋根の機能性が向上します。
    • 屋根材の二重構造により、遮音効果も期待できます。
  • デメリット:
    • 封じ込め工法と同様に、アスベスト(石綿)自体は残るため、将来的な解体時に除去工事が必要です。
    • 屋根材が二重になるため、建物全体の重量が増加し、耐震性に影響を及ぼす可能性があります。
    • 既存の屋根材の劣化が激しい場合、囲い込み工法の適用が難しいことがあります。
    • 費用は封じ込め工法より高くなりますが、除去工法よりは安価です。

アスベスト(石綿)屋根材の解体・除去にかかる費用相場と補助金・助成金

アスベスト(石綿)屋根材の解体や除去には、通常の屋根工事よりも高額な費用が発生します。しかし、この費用の一部を国や自治体が支援する補助金や助成金の制度があります。費用相場を理解し、これらの制度を賢く活用することが、アスベスト(石綿)対策を進める上で非常に重要です。

アスベスト(石綿)屋根材の除去・処分費用相場

アスベスト(石綿)屋根材の除去にかかる費用は、屋根材の種類、建物の規模、立地条件、そして最も重要なアスベスト(石綿)の飛散レベル(非飛散性・飛散性)によって大きく変動します。ここでは、一般的な非飛散性アスベストである化粧スレート(コロニアルなど)を除去し、新しい屋根材に葺き替える場合の費用相場を示します。

工事内容費用の目安(1平方メートルあたり)
アスベスト(石綿)調査費用約5万円~20万円程度(検体数による)
除去工事費用(養生・撤去作業)約10,000円~30,000円
特別管理産業廃棄物処分費用約40,000円~100,000円/トン
屋根葺き替え工事費用(新しい屋根材)約8,000円~15,000円
  • 総費用:一般的な戸建て住宅(屋根面積100平方メートル程度)の場合、除去と葺き替えを含めた総額は200万円から400万円程度が相場となります。
  • 注意点:アスベスト(石綿)の処分費用は、通常の産業廃棄物よりも非常に高額になるため、除去工事全体の費用を押し上げる主要因となります。

正確な費用は、必ず複数のアスベスト(石綿)専門業者から見積もりを取得し、比較検討することが不可欠です。見積もりには、アスベスト(石綿)調査費用、養生費用、撤去費用、処分費用、そして新しい屋根材の費用が明確に記載されているかを確認しましょう。

アスベスト(石綿)除去に関する補助金・助成金の活用

アスベスト(石綿)屋根材の除去工事の費用負担を軽減するため、多くの自治体で補助金や助成金の制度が設けられています。これらの制度は、アスベスト(石綿)の飛散防止と住民の健康保護を目的としています。

  • 対象となる工事:多くの場合、アスベスト(石綿)調査と除去工事が対象となりますが、封じ込め工法や囲い込み工法も対象となる場合があります。
  • 補助金額:調査費用の全額、または除去工事費用の一部(例:費用の1/3や上限数十万円)を補助する自治体が多いです。
  • 申請条件:補助金の制度は自治体によって大きく異なります。「個人住宅であること」「解体後の土地利用計画がないこと」などの条件が設けられていることが多いため、工事を計画している建物の所在地を管轄する自治体のホームページで最新情報を確認してください。

補助金や助成金の制度は、予算に限りがあり、年度途中で受付を締め切る自治体もあります。アスベスト(石綿)屋根材の除去を検討されている方は、できるだけ早い段階で情報収集と申請準備を始めることをお勧めします。

アスベスト(石綿)屋根材の調査・除去工事の流れと期間

アスベスト(石綿)屋根材の調査から除去工事、そして新しい屋根材への葺き替えが完了するまでには、いくつかの重要なステップと期間が必要です。この流れを事前に把握しておくことで、工事期間中の不安を軽減し、スムーズにアスベスト(石綿)対策を進めることができます。

アスベスト(石綿)調査から計画立案までの流れ

アスベスト(石綿)屋根材対策の第一歩は、適法かつ正確な調査です。

  1. 事前相談と目視調査:アスベスト(石綿)専門業者へ連絡し、建物の築年数や屋根材の種類などの情報を提供します。資格を持った調査者が現地で屋根材の状態を目視で確認します。
  2. サンプリングと分析:目視でアスベスト(石綿)含有の可能性が高いと判断された屋根材の一部を、飛散防止措置を講じた上で採取(サンプリング)します。採取された検体は、専門の分析機関でアスベスト(石綿)含有の有無や種類を特定するために分析されます。
  3. 調査結果報告と報告書作成:分析結果に基づき、アスベスト(石綿)調査者は調査結果報告書を作成します。この報告書には、アスベスト(石綿)の有無、種類、飛散性、そして適切な対策工法(除去・封じ込め・囲い込み)の提案が含まれます。
  4. 行政への報告:調査の結果、アスベスト(石綿)が検出され、法規制の対象となる工事の場合、解体工事業者は自治体へ調査結果を報告します。
  5. 工事計画と見積もり:調査結果と対策工法の提案に基づき、具体的な工事計画(工法、工期、費用)を策定し、見積もりを提示します。

この調査から工事計画立案までの期間は、屋根材の種類や分析機関の混雑状況にもよりますが、通常2週間から1ヶ月程度を見込んでおく必要があります。

除去工事の実施期間と新しい屋根材への葺き替え

アスベスト(石綿)屋根材の除去工事は、通常の屋根工事よりも厳格な安全対策が必要となるため、工期が長くなります。

  1. 飛散防止のための準備と養生:除去工事の初めに、アスベスト(石綿)繊維の外部への飛散を防ぐため、作業エリアを隔離し、厳重な養生を行います。屋根全体をシートで覆い、必要に応じて負圧除じん装置を設置します。
  2. 屋根材の撤去:作業員は防護服と防じんマスクを着用し、屋根材を湿潤化させながら、飛散を最小限に抑える方法で丁寧に屋根材を剥がし取ります。屋根材は、特別管理産業廃棄物として二重の袋に梱包します。
  3. アスベスト(石綿)廃棄物の運搬と処分:梱包されたアスベスト(石綿)屋根材は、特別管理産業廃棄物収集運搬許可を持つ業者により、指定された最終処分場へ運搬・処分されます。
  4. 新しい屋根材への葺き替え:アスベスト(石綿)屋根材の撤去が完了した後、屋根下地の点検・補修を行い、施主様が選択した新しい屋根材(ガルバリウム鋼板、瓦など)の葺き替え工事を行います。

除去工事と葺き替えにかかる期間は、戸建て住宅(屋根面積100平方メートル程度)の場合、アスベスト(石綿)の除去だけで1週間から2週間、その後の葺き替えを含めると全体で3週間から1ヶ月程度が目安となります。

アスベスト(石綿)屋根材の工事で失敗しない優良業者の選び方

アスベスト(石綿)屋根材の除去工事は、お客様の健康と安全に直結する重要な工事です。そのため、失敗しないためには、信頼できる優良業者を選ぶことが最も重要になります。優良業者を選ぶためのチェックポイントを理解し、後悔のない業者選びを行いましょう。

優良なアスベスト(石綿)専門業者を選ぶための4つの基準

アスベスト(石綿)屋根材の工事を安心して任せられる優良業者を選ぶためには、以下の4つの基準を必ず確認してください。

  1. アスベスト(石綿)調査資格者の在籍確認:
    • 優良業者は、2023年10月から義務化された建築物石綿含有建材調査者の資格を持った者が調査を行うことを明確に提示しています。
    • 資格を持たない者による調査は違法となるため、必ず資格証の提示などを求め、調査の適法性を確認してください。
  2. 法令遵守と実績の豊富さ:
    • アスベスト(石綿)除去には、大気汚染防止法、労働安全衛生法など、多数の法規制があります。優良業者は、これらの法令を遵守するための安全管理体制が整っています。
    • アスベスト(石綿)屋根材の除去実績が豊富であることは、技術力と経験の証です。特に、ご自宅の屋根材と同じ種類のアスベスト(石綿)屋根材の除去実績があるかを尋ねてみてください。
  3. 適正な見積もりと明確な内訳:
    • アスベスト(石綿)屋根材の工事は高額になりがちですが、優良業者は見積もりの内訳(調査費用、養生費用、撤去費用、処分費用、葺き替え費用など)を明確かつ適正に提示します。
    • 一式で曖昧な見積もりを出す業者や、相場からかけ離れた安すぎる見積もりの業者は避けるべきです。
  4. 特別管理産業廃棄物収集運搬の許可:
    • アスベスト(石綿)屋根材は、特別管理産業廃棄物に指定されており、処分するためには専門の許可が必要です。
    • 優良業者は、この許可を持つ処分業者との連携体制が確立されているか、または自社で許可を保有しています。処分ルートが明確でない業者は、不法投棄などのリスクがあるため避けてください。

ライターの実体験エピソード

私もかつて、アスベスト(石綿)調査の資格を取得する前に、アスベスト(石綿)屋根材をめぐるお客様の不安を間近で感じた経験があります。ある解体予定の戸建てのオーナー様が、地元の解体工事業者に見積もりを依頼したところ、「アスベスト(石綿)なんて古い家には大体入ってるんだから、調査は必要ないよ」と言われ、調査費用を省いた安価な見積もりを提示されたそうです。

オーナー様は不安になり、私たち西日本アスベスト調査センター(NARC)にも調査と除去の相談に来られました。私たちが資格を持った調査者を手配し、屋根材の分析調査を実施したところ、やはりアスベスト(石綿)含有が確認されました。もし、あのまま最初の解体工事業者に任せていれば、法規制に違反するだけでなく、適切な飛散防止措置が取られず、近隣の方々や作業員に健康被害を及ぼす可能性があったのです。

この経験から、アスベスト(石綿)屋根材の工事において、費用の安さだけで業者を選ぶことの危険性、そして法令に基づいた適正な調査と工事を行う優良業者の重要性を改めて痛感しました。アスベスト(石綿)は目に見えない危険物です。業者選びは慎重に行ってください。

まとめ

本記事では、過去に多くの建物で使用されてきたアスベスト(石綿)含有の屋根材に焦点を当て、その危険性、見分け方、法規制、そして具体的な対策工法について詳しく解説しました。

  • アスベスト(石綿)屋根材は、主に1970年代から2000年代初頭に建設された建物で使用されており、特に化粧スレート(コロニアルなど)に多く含まれています。
  • 築年数や製品名からアスベスト(石綿)含有の可能性を推測できますが、最終的な判断には資格を持った調査者による分析調査が必須です。
  • 屋根材のひび割れや劣化を放置すると、アスベスト(石綿)が飛散し、中皮腫や肺がんといった重篤な健康被害を引き起こすリスクが高まります。
  • 2022年4月からアスベスト(石綿)調査の報告義務が強化されており、適法な工事を行うためには、資格を持った調査者による事前調査が不可欠です。
  • 除去、封じ込め、囲い込みという3つの対策工法にはそれぞれメリットとデメリットがあり、建物の状況や費用に応じて最適な工法を選ぶ必要があります。
  • アスベスト(石綿)屋根材の除去費用は高額になりますが、自治体の補助金や助成金を活用することで、費用負担を軽減できる可能性があります。

アスベスト(石綿)屋根材の問題は、決して先延ばしにせず、早めに対策を講じることが、ご自身とご家族、そして近隣の方々の健康を守る上で最も重要です。

解体やリフォームの際には、必ずアスベスト(石綿)の事前調査を実施し、法令を遵守した安全な工事を行ってください。

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法令遵守はもちろん、安全管理や環境保全の徹底、的確な調査と除去で多くのお客様から信頼をいただいています。
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Writer この記事を書いた人

西日本アスベスト調査センター(NARC)

1988年設立の当センターは、岡山を拠点に中四国エリアでアスベスト調査・除去を専門としています。豊富な経験と専門知識を持つチームで、安全かつ迅速なサービスを提供。このブログではアスベストに関する重要な情報や安全対策を発信していきます。

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