こんにちは!中四国でアスベスト(石綿)調査・除去工事をおこなっています西日本アスベスト調査センター(NARC)のブログ担当です。
建物の解体や改修をご検討されているお客様から、「自分の建物にアスベスト(石綿)が含まれているのか?」「どのような種類があるのか?」といったご質問を多くいただきます。特に古い建物を所有されている方にとって、石綿含有建材 種類一覧について正確に把握することは、工事の安全性だけでなく、法令遵守の観点からも非常に重要です。
この記事では、建材の専門家である私たちが、アスベスト(石綿)を扱う際に最も重要となる石綿含有建材 種類一覧を、発じん性(粉じんの飛散しやすさ)のレベル別に網羅的にご紹介します。さらに、これらの建材を見分ける方法、法的な義務、そして適切な除去手順まで、幅広く解説します。
この記事を読むと、石綿含有建材 種類一覧に関する知識が深まり、ご自身の建物に潜むリスクを正確に把握し、法令を遵守した安全かつ適切な対応策を計画できるようになります。
解体工事を検討している建築物の所有者・管理者、リフォームや改修を計画している工事業者、そしてアスベスト(石綿)の危険性から大切な家族や従業員を守りたいと考えている方はぜひ最後まで読んでみてください!
1. 石綿含有建材 種類一覧を知る前に!アスベストの基礎知識
石綿含有建材とは?アスベストが使用された背景
石綿含有建材とは、その名の通り、人体に有害な繊維状鉱物であるアスベスト(石綿)を0.1重量%を超えて含んでいる建材のことです。アスベスト(石綿)は、安価でありながらも「耐熱性」「断熱性」「耐久性」「防音性」に優れるという驚異的な特性を持っていました。そのため、1950年代から1980年代にかけて、日本の高度成長期における建築物の様々な部位に大量に使用されていました。
建物の構造部材から内装材、設備機器に至るまで、アスベスト(石綿)は「夢の鉱物」として、あらゆる建築物に使われてきたという歴史があります。しかし、その微細な繊維が人体に吸入されると重篤な健康被害を引き起こすことが明らかになり、2006年に全面的に製造、輸入、使用が禁止されました。
石綿含有建材が危険視される理由と健康被害
石綿含有建材が危険視される最大の理由は、そこに含まれるアスベスト(石綿)繊維の「発じん性」と「毒性」にあります。アスベスト(石綿)の繊維は非常に細かく、肉眼では確認できません。この微細な繊維を吸入すると、肺の奥深くまで入り込み、数十年という長い潜伏期間を経て、中皮腫や肺がん、石綿肺といった致死性の病気を引き起こします。
特に、建物が老朽化したり、解体・改修工事で石綿含有建材が破壊されたりすると、大量の粉じんとしてアスベスト(石綿)繊維が空気中に飛散します。この飛散した粉じんを吸入してしまうことが、深刻な健康被害に繋がるのです。そのため、アスベスト(石綿)の危険性を正しく理解し、適切な対応を行うことが、作業員だけでなく近隣住民の健康を守る上で絶対的に必要です。
2. レベル別で把握する石綿含有建材 種類一覧と危険度
アスベスト(石綿)による健康被害のリスクは、建材からアスベスト(石綿)繊維がどれだけ飛散しやすいか(発じん性)によって異なります。労働安全衛生法や石綿障害予防規則では、この発じん性の高さに基づいて、石綿含有建材をレベル1、レベル2、レベル3の3段階に分類しています。
発じん性の高い石綿含有建材 種類一覧【レベル1】
レベル1は、石綿含有建材の中で最も発じん性が「著しく高い」と分類されるもので、最も危険度が高い建材です。建材が損傷すると、大量のアスベスト(石綿)繊維が空気中に飛散するリスクがあります。
| 建材の分類 | 石綿含有建材 種類一覧(代表例) | 主な使用箇所 |
| 石綿含有吹付け材 | 吹付け石綿 | 鉄骨の柱・梁・天井・デッキプレート裏、ボイラー室の天井・壁など |
| 吹付けロックウール | 機械室、空調機械室の吸音・断熱材など |
レベル1石綿含有建材の除去は、作業場所全体を厳重に隔離し、作業場を負圧に保つための設備(負圧隔離装置)を設置するなど、非常に厳格な飛散防止対策が義務付けられています。西日本アスベスト調査センター(NARC)では、これらの厳重な対策を徹底した上で、安全にレベル1石綿含有建材の除去工事を実施しています。
発じん性が比較的高い石綿含有建材 種類一覧【レベル2】
レベル2は、発じん性が「高い」と分類される石綿含有建材です。建材自体は比較的固形ですが、切断や破砕といった作業でアスベスト(石綿)がむき出しになったり、損傷したりすると、かなりの量の粉じんが飛散するリスクがあります。
| 建材の分類 | 石綿含有建材 種類一覧(代表例) | 主な使用箇所 |
| 石綿含有保温材 | 石綿保温材、石綿含有けい酸カルシウム保温材、石綿含有水練り保温材 | ボイラー本体、蒸気・温水配管の保温材、ダクトのパッキンなど |
| 石綿含有断熱材 | 屋根用折板石綿断熱材、煙突用石綿断熱材 | 工場や倉庫の折板屋根の裏側、煙突の断熱材 |
| 石綿含有耐火被覆材 | けい酸カルシウム板第二種 | 鉄骨の柱や梁の耐火被覆材 |
レベル2石綿含有建材の除去も、レベル1に準じた厳重な飛散防止対策が必要です。特に配管などの保温材は、建物の壁や天井の裏に隠れていることが多く、事前調査での見落としがないよう、入念な確認が求められます。
発じん性が低い石綿含有建材 種類一覧【レベル3】
レベル3は、発じん性が「比較的低い」と分類される石綿含有建材で、建材の大部分を占めます。セメントなどで固められた板状のものが多く、通常の状態ではアスベスト(石綿)が飛散する可能性はほとんどありません。しかし、切断・破砕・研磨といった作業で建材を壊すと、アスベスト(石綿)繊維が飛散し、健康被害を及ぼす可能性があります。
| 建材の分類 | 石綿含有建材 種類一覧(代表例) | 主な使用箇所 |
| 石綿含有成形板 | スレート波板、住宅屋根用化粧スレート、窯業系サイディング | 屋根材、外壁材、軒天材 |
| けい酸カルシウム板第一種、石膏ボード、ロックウール吸音天井板 | 内壁、天井材、耐火間仕切り壁 | |
| ビニル床タイル、ビニル床シート、ソフト巾木 | 床材、壁際の巾木 | |
| 石綿含有仕上塗材 | リシン、吹付けタイル、スタッコ、じゅらく、珪藻土などの吹付け仕上塗材 | 外壁、内壁の仕上材 |
レベル3石綿含有建材は、建物の解体時に最も多く遭遇する建材です。発じん性が低いとはいえ、破砕すれば粉じんが飛散するため、湿潤化(水を吹き付けて湿らせる)してからの撤去や、手作業での丁寧な取り外しなど、適切な作業基準の遵守が不可欠です。
3. 古い建物に潜む主要な石綿含有建材 種類一覧
1956年(昭和31年)以降の建築物では、様々な石綿含有建材が使用されてきましたが、特に注意すべきは使用部位ごとに特徴があることです。建物のどこに、どのような石綿含有建材が使われやすいのかを事前に把握しておくことで、事前調査の効率と精度が向上します。
屋根・外壁に使用される石綿含有建材 種類一覧
屋根や外壁は、建物の耐久性を高めるためにアスベスト(石綿)が多く使われてきた部位です。
- 住宅屋根用化粧スレート(コロニアル、カラーベストなど):一般住宅で広く普及した屋根材です。セメントとアスベスト(石綿)を混ぜて作られており、特に1970年代から2000年代初頭にかけて製造された製品に石綿含有建材が多く見られます。
- 石綿含有スレート波板:工場や倉庫、古いアパートなどの屋根や外壁に使われた波状の板です。耐久性が高いことが評価されていましたが、アスベスト(石綿)を多く含んでいます。
- 窯業系サイディング:外壁材として普及した建材で、古い製品には石綿含有建材が多く含まれています。釘を打つ、切断するといった作業でアスベスト(石綿)が飛散する可能性があります。
これらの石綿含有建材は、風雨にさらされて経年劣化していることが多く、解体・改修時に慎重な取り扱いが必要です。
内装材・床材に使用される石綿含有建材 種類一覧
内装材にも、耐火性や防音性を目的として石綿含有建材が使用されてきました。
- 石綿含有ビニル床タイル・シート:学校や病院、オフィスビルなどの床材として広く使われていました。硬い床材ですが、剥がす作業や切断する作業で粉じんが飛散する危険があります。
- けい酸カルシウム板第一種:内壁や天井、軒天などに使用された不燃性の板材です。石綿含有建材の有無は製品によって異なり、分析調査で判断する必要があります。
- ロックウール吸音天井板:オフィスビルなどの天井の吸音材として使われており、中には石綿含有建材があります。
私たちが過去に調査した案件でも、ビニル床タイルを剥がす際に、お客様が「簡単に剥がれるだろう」と安易に考えていたものの、実は石綿含有建材だったという事例がありました。専門の調査をせずに自己判断で作業を進めることは、非常に危険です。
断熱材・保温材に使用される石綿含有建材 種類一覧
設備機器や配管周りは、特に発じん性の高いレベル1やレベル2の石綿含有建材が使用されていることが多いため、非常に注意が必要です。
- 石綿保温材(パッキン、ガスケット含む):ボイラーや配管の熱を逃がさないように巻き付けられたものです。特に配管のエルボ(曲がり角)部分に多く使用されています。レベル2に分類され、密度が低く、崩れると粉じんが飛散しやすい性質を持っています。
- 吹付け石綿・吹付けロックウール:鉄骨造の建物の柱や梁、天井などに耐火被覆材として吹き付けられています。これは最も危険性の高いレベル1の石綿含有建材です。
これらの石綿含有建材は、建物の内部や設備機器の裏側など、普段目にしない箇所に潜んでいるため、解体・改修工事の際は、必ず有資格者による事前調査が必要です。
4. 年代別で見る石綿含有建材 種類一覧の変遷
石綿含有建材の使用状況は、日本におけるアスベスト(石綿)規制の変遷と密接に関係しています。建物の建築時期を知ることは、アスベスト(石綿)含有の可能性を推測する上で重要な手がかりとなります。
高度成長期(1970年代以前)に多用された石綿含有建材
1975年に最初のアスベスト(石綿)規制(特定化学物質等障害予防規則)が導入される以前の建物、特に1956年頃から1975年の建物は、最も危険なレベル1の石綿含有建材が多用されていた時代です。
- 吹付け石綿:鉄骨の耐火被覆材として盛んに使われました。
- 石綿保温材:工場やビルの配管、ボイラーに積極的に使用されました。
この時期に建てられた建物には、高濃度でアスベスト(石綿)が含まれている可能性が非常に高いため、解体・改修の際は細心の注意と、厳格な調査が必要です。
規制強化後の1980年代以降に見られる石綿含有建材
1975年以降は、吹付け石綿の使用が実質的に禁止され、発じん性の高い石綿含有建材は徐々に使用されなくなりました。しかし、発じん性の低いレベル3の石綿含有建材、特にセメントなどで固めた成形板は、比較的最近まで使用が続いていました。
- 住宅屋根用化粧スレート、窯業系サイディングなどのレベル3建材は、1990年代から2000年代初頭まで使われていました。
2006年9月1日以降に新築された建物であれば、原則としてアスベスト(石綿)含有建材は使用されていません。しかし、それ以前の建物、特に2006年以前に着工された建物は、石綿含有建材の有無について、規模にかかわらず必ず有格者による事前調査が必要です。
5. 石綿含有建材の種類を見分ける具体的な方法
石綿含有建材の有無を正確に見分けるには、専門家による「事前調査」が不可欠です。建物の所有者や管理者が行うべきこと、そして専門家が行う調査について具体的に説明します。
目視で確認できる石綿含有建材の特徴(製品名・刻印など)
建物の所有者の方が、まず確認できる手がかりとして、石綿含有建材に記載されている製品情報があります。
- 製造年や製品の刻印:建材の裏側や側面に製品名や製造年月日が刻印されている場合があります。この情報から、国土交通省や環境省が公開しているアスベスト(石綿)含有建材データベースと照合することで、石綿含有建材の可能性を推測できます。
- 建材の色や形状:例えば、屋根材の「コロニアル」や「カラーベスト」と呼ばれる薄い化粧スレート板は、石綿含有建材である確率が高いです。また、吹付け石綿は綿のようなモコモコした外観をしています。
ただし、これらの情報はあくまで参考情報であり、目視だけで石綿含有建材の有無を断定することはできません。素人判断は非常に危険であり、必ず専門家に依頼してください。
専門家による石綿含有建材の分析調査の手順
解体・改修工事を行う場合は、建築物石綿含有建材調査者などの有資格者が、以下の手順で正確な調査を実施します。
- 図面調査:建物の設計図書や仕様書から、使用されている建材の種類や建築時期を確認し、石綿含有建材の可能性を絞り込みます。
- 現地調査(目視調査):建物全体をくまなく巡回し、図面にはない隠れた建材や、実際に使用されている建材の状態を、非破壊で確認します。
- 試料採取:石綿含有建材の疑いがある建材のサンプルをごく少量、細心の注意を払って採取します。
- 分析調査:採取した試料を、専門の分析機関でX線回折分析や偏光顕微鏡法などの手法を用いて分析し、アスベスト(石綿)が0.1重量%を超えて含有されているかを判定します。
この事前調査は、2023年10月1日以降、有資格者が実施することが法令で義務化されており、調査を怠ったり、虚偽の報告をしたりした場合は、罰則が科せられることになります。
6. 石綿含有建材の調査・除去における法的義務と規制
アスベスト(石綿)に関する法令は、2021年以降、厳格化が進んでいます。解体・改修工事を行う建物所有者・管理者、そして工事業者は、これらの石綿含有建材に関連する法的義務を必ず遵守しなければなりません。
解体・改修時の事前調査に関する石綿含有建材関連の法律
大気汚染防止法と石綿障害予防規則の改正により、以下の義務が定められています。
- 事前調査の義務化:建物の規模や請負金額にかかわらず、解体・改修工事の際は、作業部分全ての石綿含有建材の有無について、有資格者による事前調査を実施することが義務付けられています。
- 調査結果の報告義務:解体部分の延床面積が80平方メートル以上、または請負金額が100万円以上の改修工事など、一定規模以上の工事では、事前調査の結果を労働基準監督署と自治体に電子システムで報告することが義務付けられています。
この事前調査を怠り、石綿含有建材を見落としたまま工事を進めた場合、3か月以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられる可能性があります。法律を遵守することは、お客様の信頼と、企業の存続に直結する重要な責任です。
石綿含有建材の除去工事における作業基準
石綿含有建材が発見された場合、その除去作業は、アスベスト(石綿)の飛散を最小限に抑えるための厳格な作業基準に従って行わなければなりません。
- 隔離措置の徹底(レベル1・2):発じん性の高いレベル1やレベル2の石綿含有建材を除去する際は、作業場を完全に隔離し、負圧状態を維持することが義務付けられています。これにより、アスベスト(石綿)の粉じんが外部に漏れるのを防ぎます。
- 湿潤化の原則(レベル3含む):全ての石綿含有建材の除去作業は、原則として建材を湿らせてから行う湿潤化が義務付けられています。水で濡らすことで、繊維の飛散を抑える効果があります。
- 作業計画の作成と遵守:全てのレベルの石綿含有建材の除去工事において、元請業者または自主施工者は、作業計画を作成し、掲示し、作業員全員に周知することが義務付けられています。
石綿含有建材の除去は、専門的な知識と経験、そして最新の法令順守が求められる特殊な工事です。西日本アスベスト調査センター(NARC)では、これらの作業基準を完全に遵守し、安全性の確保を最優先に作業を進めています。
7. 石綿含有建材が発見された際の適切な対応手順
石綿含有建材が事前調査で発見された場合でも、慌てる必要はありません。適切な手順を踏めば、安全かつ確実にアスベスト(石綿)の脅威を取り除くことができます。
石綿含有建材の除去工事の流れと期間
石綿含有建材の除去工事は、以下の流れで進行します。特にレベル1・2の場合は、届出から作業完了まで、法令で定められた期間が必要です。
- 計画・届出:有資格者が作成した調査結果に基づき、除去方法を計画します。レベル1・2の石綿含有建材の場合は、工事開始の14日前までに労働基準監督署や自治体に届出を提出しなければなりません。
- 隔離・養生:作業場所の周囲に隔離措置を施し、アスベスト(石綿)の粉じんが外部に飛散しないように厳重に養生を行います。レベル1の場合は、負圧除じん装置を設置します。
- 除去作業:隔離された空間内で、作業員が専用の保護具を着用し、湿潤化させながら石綿含有建材を手作業または専用工具で慎重に取り外します。
- 最終確認:除去作業後、作業場内の石綿含有建材の取り残しがないか、有資格者が目視で確認します。レベル1・2の場合は、作業場内の空気中のアスベスト(石綿)濃度を測定する空間測定も必須です。
- 廃棄:除去した石綿含有建材は、法令に従って厳重に梱包し、アスベスト(石綿)含有産業廃棄物として、許可された処理施設で処分します。
この一連の流れは、法令順守と安全確保のために絶対に必要なプロセスであり、経験と実績豊富な専門業者でなければ確実に行うことはできません。
安全に石綿含有建材を除去するための業者選びのポイント
石綿含有建材の除去を依頼する業者を選ぶ際は、価格の安さだけで判断せず、以下のポイントを確認することが重要です。
- 必要な資格の保有:除去工事に必要な石綿作業主任者や建築物石綿含有建材調査者などの資格を保有しているかを確認してください。
- 実績と経験:特にレベル1やレベル2の石綿含有建材の除去実績が豊富であるかを確認してください。実績が豊富な業者は、様々な現場状況に対応できるノウハウを持っています。
- 法令遵守と届出の徹底:法令で義務付けられた事前調査の報告や、作業開始前の届出を確実に代行してくれるかを確認してください。
- 地域密着の対応力:緊急時や現場での予期せぬ石綿含有建材の発見時に、迅速に対応できる体制があるかどうかも重要です。
私ども西日本アスベスト調査センター(NARC)は、長年にわたり中四国エリアで培ってきた豊富な実績と、最新の法令に完全準拠した作業体制でお客様の不安を安心に変えるサービスを提供しています。
8. 石綿含有建材の除去費用と活用できる補助金制度
石綿含有建材の除去費用は、種類や量、作業場所の条件によって大きく異なります。費用を把握し、利用可能な補助金制度を活用することは、プロジェクトの計画において非常に重要です。
石綿含有建材の種類や量に応じた除去費用の相場
石綿含有建材の除去費用は、主に発じん性のレベルによって大きく変動します。
| 石綿含有建材 レベル | 代表的な建材 | 除去費用の相場(目安/㎡) | 費用が高くなる理由 |
| レベル1 | 吹付け石綿 | 約20,000円~85,000円 | 負圧隔離、高度な安全対策と設備、作業時間が長い |
| レベル2 | 石綿含有保温材 | 約10,000円~40,000円 | レベル1に準じた隔離措置、配管周りなど作業が煩雑 |
| レベル3 | スレート、サイディング | 約2,000円~8,000円 | 湿潤化作業、手作業での丁寧な撤去、廃棄物処理費 |
レベル1の石綿含有建材は、負圧隔離などの大がかりな設備が必要となるため、最も費用が高くなります。また、どのレベルであっても、建材の廃棄費用(アスベスト(石綿)含有産業廃棄物としての処分)が別途発生します。これらの費用は、現場の状況、面積、そして地域の処理施設によって変動するため、必ず複数の専門業者から詳細な見積もりを取得することをおすすめします。
国や自治体が提供する石綿含有建材除去の補助金・助成金
石綿含有建材の調査や除去には、多額の費用がかかりますが、国や地方自治体では、その費用負担を軽減するための補助金・助成金制度が設けられています。
- 調査費用の補助:アスベスト(石綿)の有無を確認するための事前調査(分析調査)費用について、全額または一部を補助する自治体が多くあります。
- 除去費用の補助:特に危険性の高い吹付け石綿(レベル1)の除去工事に対し、費用の一部を補助する制度があります。補助率は自治体によって異なりますが、工事費用の3分の2以内や、上限額が設定されていることが多いです。
補助金制度は、年度によって予算や要件が変動します。例えば、私が以前担当した岡山県内の案件では、補助金制度を活用することで、お客様の除去費用負担を約500万円も軽減できた事例があります。補助金の申請には、工事の着手前に申請し、承認を得る必要があります。西日本アスベスト調査センター(NARC)では、これらの複雑な補助金申請手続きのサポートも行っていますので、お気軽にご相談ください。
9. 石綿含有建材の調査を依頼するメリットとデメリット
石綿含有建材の調査・除去は、専門業者に依頼することが唯一の選択肢です。ここでは、専門業者に依頼するメリットと、自己判断で作業を進めることのデメリットを明確に比較します。
専門業者に依頼するメリット:安全性の確保と法規制の遵守
専門業者に依頼することの最大のメリットは、「健康と安全の確保」と「法令違反リスクの回避」です。
- 専門知識に基づく正確な調査:建築物石綿含有建材調査者などの有資格者が、建物の構造や石綿含有建材 種類一覧に関する専門知識に基づき、目視では発見が難しい隠れたアスベスト(石綿)を確実に特定します。これにより、石綿含有建材の見落としという危険な事態を防ぐことができます。
- 厳格な安全基準による飛散防止:レベル別の厳格な飛散防止対策(隔離、負圧管理、湿潤化)を徹底して実施するため、作業員や近隣住民へのアスベスト(石綿)ばく露リスクを最小限に抑えられます。
- 複雑な行政手続きの代行:工事計画の届出や、事前調査結果の報告といった、複雑で専門知識が必要な法令手続きを全て代行します。これにより、お客様は30万円以下の罰金などの法的リスクから解放されます。
専門業者に依頼しないデメリット:健康リスクと罰則の可能性
「費用を抑えたい」といった理由で、石綿含有建材の調査や除去を自己判断で行うことは、非常に大きなリスクを伴います。
- 深刻な健康被害のリスク:石綿含有建材の有無を自己判断で見誤り、無対策で建材を破砕・切断した場合、大量のアスベスト(石綿)繊維が飛散します。これを吸入することで、将来的に中皮腫や肺がんなどの致死的な健康被害を受ける可能性が非常に高くなります。
- 法令違反による罰則:2023年10月以降、有資格者ではない者が事前調査を行うことは法令違反です。また、届出義務のある工事で届出を怠った場合や、作業基準に違反した場合は、懲役や罰金が科せられることになります。例えば、作業基準違反で行政命令が出たにもかかわらず従わなかった場合、6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられます。
石綿含有建材への対応は、安全と法律を守るためのコストであり、削減してはならない費用です。専門業者に依頼することが、最も安心で確実な道であると断言できます。
まとめ
この記事では、建物の解体・改修を検討されている皆様に向けて、石綿含有建材 種類一覧をレベル別に網羅的に解説し、その危険性、適切な調査・除去の方法、そして法的な義務について詳しくご紹介しました。
石綿含有建材 種類一覧を把握することは、建物の安全性を判断するための第一歩です。
特に発じん性の高いレベル1(吹付け材)やレベル2(保温材・断熱材)の石綿含有建材が潜んでいる建物では、専門家による厳格な調査と、法令を完全に遵守した除去工事が必須となります。
アスベスト(石綿)に関する法令は厳格化されており、事前調査の義務化や、有資格者による調査・分析の義務化、罰則の創設など、その責任は重くなっています。しかし、適切な専門業者に依頼すれば、これらの複雑な手続きや危険な作業を全て安心してお任せいただくことができます。
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